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逃げた伊藤鹿児島県知事

公開質問に事実上の回答拒否

2011年12月15日 08:35

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、HUNTERが知事あてに送付していた公開質問に答えることを事実上、拒否した。

 回答してきたのは知事ではなく、質問に関連する部署の課長ら。回答自体も、現実を省みないお粗末な内容だった。

 隠蔽に虚偽、説明責任の放棄・・・。鹿児島県はまともな行政機関としての姿勢を失っており、原発の是非を判断するレベルでは到底ない。 




公開質問書
 今月8日、HUNTERが鹿児島県庁秘書課を通じ、伊藤知事に対して行なった公開質問書の内容は次のようなものだった。

 以下の事実経過を踏まえ、3点についてご質問致します。
【事実経過】
 平成23年9月25日、当方は伊藤祐一郎鹿児島県知事に対し、次の4件の情報公開請求を行なった。
・ 薩摩川内市で建設中の産業廃棄物処理場に関するすべての文書(建設計画に関する方針決済など、計画段階から請求日までの経過が分かる文書や、本件に関する業務委託関係書類など)。
・ 薩摩川内市で建設中の産業廃棄物処理場における警備または支援業務についた県職員への出張命令書および勤務実態の分かる文書。
・ 薩摩川内市で建設中の産業廃棄物処理場に関し、工事の警備もしくは支援のため県職員を派遣するにあたって県庁内で動員要請した折の文書。
・ 鹿児島市松陽台町に移転・建設を予定している県営住宅に関するすべての文書。
 これに対し、鹿児島県は県情報公開条例で規定した30日という開示決定期限をさらに30日延長したうえ、最終期限である同年11月25日の3日 後、すなわち11月28日に当方よりの確認電話に対し、「開示・不開示のいずれの決定も行なわないと本県として判断致しました」とした上で、「電話をする ことも控えさせていただいた」と回答するに至った。

【質問事項】 
①「開示・不開示のいずれの決定も行なわないと本県として判断致しました」とする一文の原案を提起し、作成を行ない、環境林務部廃棄物・リサイクル課、土木部建築課住宅政策室に同文を「県として」の見解とするよう指示したのは誰か、それぞれご回答願いたい。
②また、一連の鹿児島県の行政事務は、明らかに「鹿児島県情報公開条例」に違反するものと思料するが、本件に関する県側の責任者名をご回答願いたい。
③本件に関し、副知事、知事の関与の有無についてご回答願いたい。

事実上の回答拒否
 回答期限は13日火曜日だったが、鹿児島県からの連絡はなく、14日朝、県庁秘書課に確認を入れた。知事あてに出した質問書だったが、秘書課は廃棄物・リサイクル課が対応すると言う。
 
 廃棄物・リサイクル課だけでは回答できない質問内容だったが、鹿児島県のこれまでの対応同様、こちらの話など聞こうともしない。知事の事実上の回答拒否である。
 
 情報公開請求に対し、いったん「開示・不開示の判断を下さない」と判断したことは、明らかな県情報公開条例違反である。報道各社には「文書が大量で遅くなった」と虚偽の説明までしており、悪質というほかない。
 
 一連の動きの中で、異なる所管部署で同一の文言を用いて情報公開を拒否しており、これは県上層部の関与がなければ成立しない。

 だからこそ知事に対する公開質問だったのだが・・・。
 
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さらけ出した役所の悪癖
 勝手に電話を回されたため、やむなく廃棄物・リサイクル課と話をしたが、12日に回答文書を郵送したとして内容については頑なに話すことを拒む。
 
 14日午前。送付されてきたのは、廃棄物・リサイクル課長と土木部建築課住宅政策室長の連名による木で鼻をくくったような回答文だった。

 県側の回答は、HUNTERの3項目の質問に答えた形ではなく、鹿児島県の事務処理規定をなぞっただけ。「開示・不開示のいずれの決定も行なわないと本県として判断致しました」との統一された文言を考え出したのが、廃棄物・リサイクル課長と土木部建築課住宅政策室長の合作なのかどうかさえ分からない。

 条例違反についての記述も一切なく、何事もなかったかのようだ。知事や副知事の関与については、否定も肯定もしていない。
 都合の悪いことには口をつぐみ、絶対に非を認めないという役所の悪癖をさらけ出した形だ。

 何より知事あての質問書に、課長級の職員が正式回答することが間違いだ。これでは鹿児島県庁全体が、組織ぐるみで真相を隠すことに加担しているとしか思えない。

深刻な病状
 県関係者からは次のような話も聞かれる。「鹿児島県は伊藤独裁県政ですよ。細かなことまで伊藤知事の裁決を仰ぐという、おかしな組織になってしまっている。
 知事は1期目の途中から、キャリヤ官僚の傲慢さをあからさまに見せるようになった。知事室では、テーブルの上に足を乗せたまま人と話すことさえある。
 高額献金者とは、ホテルなどで余人を交えず会う機会が多く、そうした段取りまで県職員がやっている。少数意見を大切にする人ではないですね。
 職員はかわいそうなもので、知事の逆鱗に触れることをを恐れて、戦々恐々としているのです。これでは根太から腐ってしまう・・・」。

 「隠蔽度日本一」の行政機関は、深刻な病状にあるようだ。




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