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「議員会館」に豪華駐車場

嗚呼、税金の無駄遣い

2011年10月27日 10:20

 明らかに税金の無駄遣いである。

 「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズを掲げて政権を取った民主党だが、足下の無駄については、手をこまねいていたようだ。

 最近では、埼玉県朝霞市の公務員宿舎建設問題が批判を浴びたばかりだが、国会そのものも常軌を逸した公共工事を連発している。

 自らの襟を正さずに、増税をはじめとする国民負担だけを押しつける政治の在り方は、到底容認できるものではない。

豪華施設に巨大駐車場
 gennpatu 562.jpg永田町の国会議事堂前には、衆議院第一議員会館、衆議院第二議員会館、参議院議員会館の3棟の建物がそびえる。

 平成19年から建て替えが行なわれ、昨年から新しい会館が使用されているが、3棟合わせた建設費は約1,700億円。各議員の部屋は旧議員会館の約2.5倍、コンビニやレストラン、会議室、スポーツ施設から保育所まで備えた豪華施設となっている。

豪華駐車場 議員の中からも「豪華すぎる」との声があがるほどの公共工事だったが、現在さらに旧議員会館の跡地ごとに巨大な地下駐車場の建設が進められている。

 それぞれの駐車場は、地下3階。屋外部分と合わせて約360~400台ほどの駐車スペースが確保され、衆議院第一と第二の議員会館だけで約800台ほどが収容できる構造となっている。参議院議員会館分を合計すると1200台分ということだ。

 国会議員の定数は722名で、秘書や国会職員、来客用を合わせてもこれほどの巨大駐車場が必要とは思えない。
 
 昔と違い、地方選出の議員が東京で車を所有することが少なくなっており、どう見ても過剰な設備なのである。

 地上部分は国会議員の車や公用車の待機用として使われるが、唯一「来館者用」に供されるのは衆・参合わせて、その地上部分の約100台弱分だけ。一般市民は二の次というわけだ。

 議員秘書用のスペースも合計で300台分に満たず、使用実態とはかけ離れた計画なのだという。
 
 国会関係者の間からも、次のような声が上がる。「こんな立派な駐車場が必要とは思えない。1年もかけて工事しているが、明らかに税金の無駄遣い。第一、現在の駐車スペースもガラガラの時が多く、豪華駐車場ができてもおそらく半分も埋まらないでしょう」。

 自民党政権時代に決められた事業とはいえ、カネに糸目をつけない事業内容にはあきれるばかりだ。

 国民目線とかけ離れた永田町の暴走だが、その責任は事業見直しを怠った国会全体にあることは言うまでもない。 

 国民に負担は強いても、自分たちの身は削らないという、日本の政治のあり様を象徴する風景である。



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