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鹿児島県知事側に町村会事務局長が100万円

問われる知事の政治倫理

2011年9月14日 10:25

 鹿児島県政の歪みがまたひとつ明らかになった。

 伊藤祐一郎鹿児島県知事の資金管理団体が、平成21年に鹿児島県町村会の事務局長から100万円の個人献金を受けていたことがわかった。
 町村会と県は密接な関係にあり、利害関係を有する団体側幹部からの献金に疑問が生じている。
 さらに、現職県議による個人献金も行なわれており、県政のチェック機能である議会と知事の癒着が懸念される。

現職県議も献金
 伊藤知事の資金管理団体「いとう祐一郎後援会 祐祥会」(以下、祐祥会)が鹿児島県選挙管理委員会に提出した平成21年分の政治資金収支報告書によれば、この年、祐祥会は県町村会の事務局長を務める坂上省悟氏から100万円、中村眞県議(自民・当選6回。阿久根市・出水郡区選出)と小幡兼興県議(自民・当選5回。出水市区選出)からそれぞれ50万円と30万円の個人献金を受け取っていた。
 現職県議から知事側へのまとまった個人献金は珍しく、知事と県議の馴れ合いを証明する事実とも言えそうだ。
 問題は県町村会の事務局長による100万円の献金である。

町村会と県の癒着で事件化のケースも
 福岡県では平成21年、「福岡県町村会」をめぐって当時の参事や元事務局長らが経費の水増しなどによって捻出した金を遊興に使っていたことが発覚し詐欺容疑で逮捕・起訴されたが、この詐欺事件の捜査過程で町村会側による県幹部職員への接待疑惑が浮上、責任をとって副知事が辞任した。
 この事件はさらに拡大し、当時の県町村会会長が、後期高齢者医療制度にからみ便宜を図ってもらった見返りに、辞任した元副知事に現金100万円を渡していたとして贈収賄事件にまで発展している。背景にあったのが県と町村会の癒着構造であることは言うまでもない。

町村会事務局長は取材拒否 
 鹿児島県町村会の構成自治体は20町4村。運営は参加自治体が支出する会費を主とする公金でまかなわれている。
 
 県や国への要望事項も多く、町村会と県に利害関係が存在するのは明らかだ。個人献金とはいえ、町村会事務局長から知事側団体への100万円に疑念を持たれるのは当然だろう。

 町村会の坂上事務局長は、献金の事実を認めた上で「私的なことで話す義務はない」として一切の取材を拒否する姿勢を示している。

問われる伊藤知事の政治倫理
 伊藤鹿児島県知事に関しては、平成20年の知事選で、同県が特定公益増進法人の認定を出し、多額の補助金を支給する財団法人の理事長を務める会社社長から、寄附金として100万円を受け取っていたことや、同知事選に際して県選管に提出された「選挙運動費用収支報告書」に記載された11団体分・450万円の寄附が、実際には「祐祥会」への寄附で、選挙に対する寄附ではなかったことが判明している。 

 伊藤知事は、政治資金を所管する総務省出身だが、問題視される献金の受け取りや杜撰な政治資金処理が次々と発覚しており、「政治とカネ」に対する知事の政治倫理が問われている。



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