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原発支える電気料金

年間3,400億円が原発マネーに

2011年9月 9日 11:10

 佐賀県玄海町、鹿児島県薩摩川内市、そして山口県上関町。営業運転中の原発や新規原発の建設予定地を抱える自治体だが、共通しているのは、原発マネーに汚染されてしまっていることだ。
 原発マネー抜きでの地域経営が考えられない状態になっているほか、佐賀や鹿児島では県知事や県議会にまで原発マネーが浸透。公職選挙法などに抵触しかねないカネの動きが明らかになっている。
 忘れてならないのは、原発マネーが「電気料金」を原資としていることだ。

原発マネー依存の実態
 原発に関係するいずれの自治体でも、予算の柱は原発マネーである。佐賀県玄海町の場合、電源3法交付金や九州電力からの固定資産税といった収入が全体の約6割を占める。
 毎年14億円程度の交付金が入るほか、九州電力が支払う固定資産税は年間約20億円前後と見られる。
 玄海町の税収について同町税務課に確認したところ、直近5年間の町税等歳入の決算は次のようになっている。(注:左側の数字は住民税、固定資産税、軽自動車税、たばこ税、入湯税、固有財産等所在市町村交付金など全ての合計。次の数字が固定資産税だけを抽出したもの)
平成18年度 3,014,458,000円  2,557,012,000円
平成19年度 2,982,436,000円  2,568,807,000円
平成20年度 3,146,122,000円  2,723,153,000円
平成21年度 3,373,595,000円  3,014,461,000円
平成22年度 3,368,054,000円  2,916,634,000円
 
 人口約6,500人、世帯数1,900程度の自治体としては驚くべき税収額である(ちなみに平成21年度からは玄海原発3号機のプルサーマルが実施されており、これにともなう固定資産税の増加が認められる)。
 九電が支払う税金は、もちろん「電気料金」から生まれるものである。
 
電源開発促進税
 電力会社のカネも、電源3法交付金も、しょせんは電気料金の一部だ。つまり、原発立地自治体を蝕む原発マネーの原資は国民が支払ったカネということになる。
 それでは、電気料金に上乗せされる「電源開発促進税」は年間どの程度の金額になっているのだろう。財務省のホームページで確認できる「電源開発促進税」の推移を見てみると次のようになる。
平成18年度 3,629億6,300万円
平成19年度 3,521億5,700万円
平成20年度 3,404億7,200万円
平成21年度 3,292億7,700万円
平成22年度 3,491億6,600万円
 
 電源3法のひとつである「電源開発促進税法」は、《原子力発電施設、水力発電施設、地熱発電施設等の設置の促進及び運転の円滑化を図る等のための財政上の措置並びにこれらの発電施設の利用の促進及び安全の確保並びにこれらの発電施設による電気の供給の円滑化を図る等のための措置に要する費用に充てるため、一般電気事業者の販売電気には、この法律により、電源開発促進税を課する》としたうえで、《電源開発促進税の税率は、販売電気1,000キロワット時につき、375円とする》と規定している。
 一般家庭の年間電力消費量は約4,200~4,400キロワットとされるが、1キロワットあたり37.5銭で計算すると、一世帯が年間に支払う電源開発促進税分は約1,600円前後ということになる。
 高いか安いかは別にして、電源3法交付金は電気料金によって支えられているのである。
 
電源3法
 電源3法とは、「電源開発促進税法」、「特別会計に関する法律」(旧・電源開発促進対策特別会計法)、「発電用施設周辺地域整備法」の3つの法律のことだ。
 前述した電源開発促進税法に基づく税収は、特別会計に関する法律によって一般会計と区分され、発電用施設周辺地域整備法の《この法律は、電気の安定供給の確保が国民生活と経済活動にとってきわめて重要であることにかんがみ、発電用施設の周辺の地域における公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業を促進することにより、地域住民の福祉の向上を図り、もつて発電用施設の設置及び運転の円滑化に資することを目的とする》との目的に従って地方にばら撒かれる。
 いわゆる電源3法交付金とは、こうした仕組みによって成り立っているのだが、原資が電気料金であることは述べてきたとおりだ。

 私たちが支払う電気料金が、原発立地自治体を汚染し、癒着や自治の衰退を招いているという現実があることは確かだ。
 福島第一原発の事故を契機に、原発行政のあり方が問われるなか、電気料金や電源3法について考えてみる必要がありそうだ。



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