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佐賀県と原発マネー

2011年8月22日 07:00

 原発と命のどちらが大切か?
 福島第一原発の事故を経たこの国にとって、答えはひとつしかないはずだ。もちろん、「脱原発」に向けての課題は山積しているが、それでも目指すべき方向は示されなければならない。求められているのは幅広い議論だ。
 当然、原発の是非を判断するのは「国民」のはずだが、現実には法的根拠もないまま立地自治体の市町村長や知事にその権限を委ねる形が続いている。しかし、原発マネーに汚染された状態で、原発を拒絶することは不可能に近い。
 汚染はどこまで拡がっているのだろう。

原発マネー 
 いわゆる"原発マネー"とは、「電源3法」(『特別会計に関する法律(旧・電源開発促進対策特別会計法)』、『電源開発促進税法』、『発電用施設周辺地域整備法』)によって、原発立地市町村やその所属県にもたらされる交付金や電力会社から支払われる税金を指すものだが、広義に解釈すると、電力会社が発注する工事費や広告費もこれに当たると考えられる。さらに言うなら、電力各社の役員や社員による政治家への献金も"原発マネー"と見て差しつかえなさそうだ。

玄海、川内の背景
 
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)をめぐっては、岸本英雄玄海町長とその実弟が社長を務める岸本組による"原発マネー"独占の構図や、古川康佐賀県知事の重点公約「九州国際重粒子線がん治療センター」への九電による39億7,000万円もの寄附など、原発マネーが首長を侵食する実態を報じてきた。
 「やらせメール」事件に見られるとおり、古川知事と九電との癒着は深刻だ。

 川内原子力発電所の立地自治体である鹿児島県の伊藤祐一郎知事も、原発マネーと無縁ではなかった。
原発立地県に交付される「放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金」を原資とする同県の補助金を受給した「財団法人メディポリス医学研究財団」の理事長から、平成20年の知事選で100万円を受け取っていたのである。
 鹿児島県ではこのほか、薩摩川内選出の外薗勝蔵県議(自民・当選4回)と、3号機増設を推進する陳情を提出した団体の代表らが社長を務めるファミリー企業との特別な関係に疑惑が生じている。

汚染の実態
 gennpatu 014.jpgそれでは、佐賀県において原発マネーに汚染されているのは、岸本玄海町長や古川知事だけなのだろうか。
 じつは、知事や九電の関係をチェックする側の佐賀県議会やメディア側にも、原発マネーの影がちらつく。
 地方において、首長、議会、地元メディアは、それぞれ強大な「権力」を有する存在だ。
 HUNTERは、立地自治体に原発の是非を判断させることは間違いだということを一貫して主張してきたが、それは、すべての権力主体が原発マネーに汚染されているからにほかならない。

 次稿から、佐賀県における実態を報じていく。



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