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玄海町 入札制度改革の県指導を無視

2011年7月20日 09:00

 玄海原発の立地自治体である佐賀県玄海町(岸本英雄町長)が、佐賀県から度々指導を受けながら、町発注工事における入札制度の改革を見送っていたことが明らかとなった。
 同町の公共工事では、一般競争入札の拡大や総合評価方式の導入を進める国や県の方針を無視して、恣意的な運用が問題視される「指名競争入札」による落札者決定が続けられている。
 巨額な電源3法交付金を原資とした数々の公共工事で、町長や町議のファミリー企業による工事の独占が続いてきた背景には、入札の透明性確保を拒絶する同町全体の姿勢があったと見られる。

入札制度適正化の流れ
 一般競争入札が、一定の基準を満たした業者のすべてに入札参加を認めるのに対し、指名競争入札は役所側が入札に参加する業者を指名し、その中から落札者を決める。役所側が業者選定の権限を握ることから、運用が恣意的なものになりがちで、官製談合や癒着の温床になる可能性が高い。 
 平成18年、談合事件が相次いだことを受けた政府は、『公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針』の改正を閣議決定。国土交通省は、入札の透明性を高めるため、一般競争入札の拡大や総合評価方式の導入を促進してきた。(注:総合評価方式とは、単に入札価格だけで落札者を決めるのではなく、価格以外の技術力や経営状況などの条件についても評価し、それらを数値化した『評価値』の最も高いものを落札者とする入札方式)
 また、同年には全国知事会が『都道府県の公共調達改革に関する指針(緊急報告)』をまとめ、総合評価方式の拡充とともに、一般競争入札の拡大を求めていく方針を確認している。当時佐賀県は、全国で2番目というスピードで全ての建設工事に一般競争入札を導入をすることを決めていた。

玄海町の実情
 一方、玄海町はこうした流れに背を向けたまま、入札制度改革を拒否する姿勢を鮮明にしている。同町が年間に発注する公共工事は、100件~130件程度で推移してきたが、その大半は「指名競争入札」である。一般競争入札を行なったのは1度だけだという。
 わずかながら総合評価方式で入札を行なったケースもあるが、取材した玄海町役場の職員さえ同方式への理解が薄く、記者の質問に即答できないといったありさまだ。
 平成19年、玄海町議会で入札について質問した議員に対し、岸本町長は、県から制度改正への指導を受けていることを認めたうえで、現行の「指名競争入札で支障なし」とする玄海町としての見解を表明していた。以来、一般競争入札の導入については、ほとんど議論されていない。

県の指導も無視
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 こうした玄海町の姿勢に関し佐賀県の担当課に聞いたところ、県内の自治体に対しては、指名競争入札から一般競争入札への移行や総合評価方式の導入といった入札制度改革を、平成18年から指導してきたという。しかし、玄海町を含む六つの自治体がいまだに指名競争入札を続けているとしている(平成21年度のデータ)。
 巨額な交付金を受け取りながら、県の指導にも応じない玄海町の強硬姿勢は、玄海原発を盾にした驕りに起因するものだろうが、原発利権を独占し続けようとする一部権力者の思惑も透けて見える。

 



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