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九電、変わらぬ隠蔽体質 

2011年7月 8日 08:30

 社会的信用を失っただけでなく、原発行政の行方にも多大な影響を与えることが確実となった九州電力の「やらせメール」。"地域独占に胡坐をかいた傲慢企業"。そう指弾せざるを得ない事態だが、この期に及んでも九電の隠蔽体質は変わっていない。

事実上の取材拒否
 HUNTERは7日、九電側にふたつの事項について確認を求めた。
 ひとつは松尾新吾・代表取締役会長の出張先とその目的だ。玄海原発をめぐり、事態が急展開するなか、事実上の九電トップである松尾氏は何をしているのか?大手メディアの報道では、眞部利應社長の辞任時期にからんで、松尾会長の消息について「海外出張中」、「欧州からの帰りを待って」などと表現されているものの、何のための海外出張かは明らかにされていない。聞かれて当然のことだと思うが、九電の回答は「この件(ふたつの確認事項)については回答を差し控える」。
 
 これまで、九電に対する厳しい記事を書いても丁寧な対応を見せていた九電広報が、なぜか頑なな態度を崩そうとしない。「やらせメール」事件への対応で多忙なのは分かるが、出張なら隠す必要などないはずだ。

 「もうひとつの事案」については、"答えられない"と見当をつけていたため、さして驚きもしなかったが、松尾会長の出張理由を隠すとは思わなかった。

地に堕ちた九電の威光
 九州電力は、九州を牽引してきたのトップ企業だ。福岡県内では、「七社会」(時代とともに構成企業が変わったが、現在は九州電力、西部ガス、西日本鉄道、福岡銀行、 西日本シティ銀行、九電工、JR九州の各社)と呼ばれる組織の中核として、政・財界に睨みを利かせてきた。電力会社トップが笑顔でバンザイ三唱
 4月に行なわれた福岡県知事選では、迷走した候補者選びに松尾会長が深く関与し、初当選した小川洋知事の後援会長まで務めている。福島第一原発の事故が深刻さを増すなか、電力事業者・九電の監督官庁である経済産業省OBの小川氏を推すことに何の躊躇もなかったようで、被災地感情も考慮せず「バンザイ」までやってのけた。「驕り」以外のなにものでもないが、それでも周囲を黙らせることができたのは、九電が自他共に認める九州の王様だったからだ。

裸の王様 
 社内事情を隠蔽することで市民との距離が広がれば、おのずと市民の目線や感覚から遠ざかる。何も見えないだろうし、聞こえもしないだろう。
 その姿勢の延長線上にあるのが「やらせメール」であり、「回答を差し控える」とする事実上の取材拒否なのだ。

 九電はいつの間にか「裸の王様」になっていたのである。



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