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古賀誠・元自民党幹事長の集金力
~福岡7区に見る金権政治の現実(8)~

2011年5月19日 09:20

 先月、古賀誠・元自民党幹事長(衆院福岡7区 当選10回)が代表を務める「自由民主党福岡県第七選挙区支部」(以下、七区支部)が支出した"支部交付金"をめぐる問題点について、7回にわたって報じた。

 巨額なカネを動かしながら、法の不備や抜け道を利用することで支出の実態を隠してしまう現状が、政治不信を招来しているひとつの要因ではないか。
 古賀氏陣営の政治資金処理の手法は、まさにそうした推論に説得力を持たせるものだった。

 今シリーズでは、派閥の領袖でもある古賀氏の政治力を支える巨額な政治資金のうち、「収入」にスポットをあて検証していく。

"交付金"をめぐる問題とは
 まず、先月報じた交付金の問題について整理しておきたい。 
 
 衆院福岡7区の場合、地域ごとの自民党支部に対する「選挙区支部」からの交付金の額は、全国的に見ても群を抜く大きさだ。
 平成20年、同21年の2年間で七区支部から福岡7区内の六つの自民党支部に渡った交付金は、合計6,910万円。各支部への支出の大半は、総選挙に向けて臨戦態勢が敷かれた平成20年秋からの約10ヶ月間に集中していた。

 交付金が事実上の総選挙費用であることは言うまでもないが、各支部に渡った古賀氏側のカネの大部分は、政治資金収支報告書に記載義務のない、経常経費や5万円以下の支出として処理されている。その7割以上は支出先がわからない状態だ。

 不透明な金の流れを追うなか、地域支部のひとつである「自由民主党八女郡支部」の収支報告書に本来の交付金収入額600万円を200万円と記載していた事実が発覚。HUNTERの指摘を受けた同支部は、その他の記載内容についても間違いを認め、平成21年分の収支報告書を大幅に修正する事態に追い込まれた。
 しかし、取材によって確認した同支部の"帳簿"から、修正されたはずの同支部の収支報告書が依然として政治資金規正法が求める報告内容を満たしていないことや、「公職選挙法違反」を疑わせる活動があったことなどが明らかとなっている。 
 
 杜撰な政治資金処理と、法の抜け道を利用した政治手法に批判の声が上がっていることは言うまでもない。金権選挙が続く限りこの国の政治は変わらないのだ。 

古賀氏側からの各支部への資金提供額を改めて記すと、次のようになる。

・自由民主党柳川支部   1,000万円
・自由民主党八女郡支部 1,300万円
・自由民主党八女市支部 1,350万円
・自由民主党筑後支部 1,100万円
・自由民主党山門支部 1,560万円
・自由民主党大牟田支部 600万円
 
 上記の交付金合計6,910万円を含む六つの自民支部の2年間での総収入は計91,539,773円。つまり六つの自民支部総収入の75%以上は七区支部からのカネに依存しているということだ。
 実態を見れば、七区支部からの収入がなければ満足な活動ができない支部ばかりで、各支部は古賀氏側団体の出先と言っても過言ではない。
 システムを支えているのは、古賀氏のけた外れの集金力だ。

力の源泉「古賀誠筑後誠山会」
 政治資金規正法上の古賀氏の"国会議員関係政治団体"は、「自由民主党福岡県第七選挙区支部」と「古賀誠筑後誠山会」(以下、誠山会)。
 両団体の平成21年分の政治資金収支報告書で、収入と支出の総括ページを確認すると、七区支部のこの年の収入は180,212,400円、誠山会は113,399,580円となっている。

「自由民主党福岡県第七選挙区支部」の収支報告書から  「古賀誠筑後誠山会」の収支報告書から

【左:「自由民主党福岡県第七選挙区支部」の収支報告書から/右:「古賀誠筑後誠山会」の収支報告書から】


 しかし、報告書をながめていくと七区支部の収入の約5割は誠山会からの寄附(9,800万円)に頼っていることがわかる。その内訳は次のとおりだ。(誠山会から七区支部への寄附年月日と金額)
平成21年5月13日 28,000,000円
   同 6月18日 40,000,000円
   同  8月 5日 30,000,000円

 一方、七区支部からは、前述した福岡7区内の六つの自民支部に対して、この年の5月から8月にかけて集中的にカネが配分されていた。
柳川支部  →7月に500万円
八女郡支部 →5月に600万円
八女市支部 →7月に500万円
筑後支部  →7月に500万円
山門支部   →8月に1,000万円
大牟田支部 →6月に300万円
 こうして見ると、誠山会から七区支部へのカネは、さらに各地域支部に細かく配分された形で、同年8月に行なわれた総選挙対策を目的とするものだったことが推測される。

 それにしても驚くべきは古賀氏の資金力で、特に「古賀誠筑後誠山会」の平成21年の総収入664,885,401円には目を見張るばかりだ。この団体が古賀氏の力の源泉であることは疑う余地がない。

 誠山会の収入について検証してみたい。

つづく



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