国会議員歳費(給料)を4月からの6か月間で、1人当たり300万円カットする「国会議員歳費減額特例法」が先月末の衆・参両院本会議でそれぞれ可決、成立した。削減総額は約21億円となり、東日本大震災の復興財源に充てられるが・・・。
国会議員歳費は月130万円ほどで、50万円減ると80万円になる。これまでは、税金や党費、議連の会費などを天引きされ、手取り70~80万円台が相場と言われていたが、特例法の成立で20~40万円台に落ちる議員も出てきそうだ。
写真は衆議院議員の公設秘書バッチだが、ここで注目されるのが、国会議員と公設秘書との手取り額逆転現象。
秘書の在職期間や年齢により大きな差はあるが、永く公設秘書として勤務してきた人の場合は、政策秘書で基本給が60~64万円程度になる人もいるという。手取り額では国会議員を上回ることになり、主従の逆転現象が起きるのだ。
懸念されるのは、議員本人やその家族からの不満で、秘書に寄付の形で政治団体や政党支部に上納を命じる可能性が指摘されている。永田町関係者の話では、既にそうした話が出て、困っている秘書もいるという。
秘書給与をめぐっては、過去に、勤務実態がない人間を公設秘書として登録し、公金(秘書給与)を詐取したとして逮捕された事件や、秘書に政治団体への寄附の形で上納を強要していたケースがあった。(記憶違いでなければ、おひとりは総理大臣補佐官に就任しておられる)。
ただ、国会議員には歳費とは別に、月100万円もの「文書通信交通滞在費」が投げ渡しで支給(つまり、領収書がいらない金)されているほか、JRなどは乗り放題、航空運賃も別に月額20万円以上が支給されている。
有権者の厳しい目を考えると、秘書の給料を上納させようという不謹慎な議員はいなくなったと思っていたが、不測の事態に禁が破られる恐れが出てきた。
震災復興に100億円を寄附し、毎月の給料もすべて寄附していくというオーナー社長に比べれば、なんともレベルの低い話ではある。