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「防災服」と政治家の覚悟

2011年4月 4日 11:00

 東日本大震災への政府の対応が後手に回る一方で、政治家への期待感はしぼむばかりだ。
 
 まず、直面する事態に対応しているはずの防災担当相や、蓮舫節電啓発担当相、辻元清美首相補佐官らが何をやっているのかさっぱり分からない。政府の「東北地方太平洋沖地震緊急災害対策本部」も、十分に機能しているとは言えないようだ。

 ある国会関係者は、政治不在の現状について次のように話す。「震災発生以来、支援物資の提供申し入れや、ボランティア希望者の問い合わせなどについて、何度も関係省庁に確認を求めてきました。ですが、霞ヶ関(の役人)からは、『政府の指示がないので動きようがない』という困惑の言葉を何度も聞かされました。政府の対応が後手に回っているのは事実でしょう。コントロールタワーが不在なんですよ。菅さん、蓮舫さん、ともに目立つことが好きで攻撃は得意だけど、危機管理の経験は皆無ですから。辻元さんに何をやらせるのかも分からない。蓮舫さんが防災服を着て、都庁に節電のお願いに行ったけど、石原都知事から『事業仕分け』でスーパー堤防の予算を切ったことを指摘され赤っ恥をかいただけだった。国会の中でファッションショーをやってた人だから・・・。それと、菅さんには申し訳ないが、この人の下で復興に向けてガンバロウという気にはならない」。
 
 受け入れ先の迷惑もかえりみず、被災地視察にこだわった菅首相も、その仕事ぶりが国難突破に寄与しているとは到底思えない。

 菅、蓮舫、辻本、それぞれに共通するのはパフォーマンスに長けた政治家という点だ。
 
防災服申込用紙 そのパフォーマンスに走る政治家の代名詞となりつつあるのが「防災服」である。民主党は、先月末、所属議員に「党防災服購入のご案内」を送付し、1着5,000円で党名やロゴマークが入った防災服の購入を募った。納品は4月中旬の予定と記されている。緊迫した状況にはそぐわぬ、のどかな話である。
 防災服を着用して、被災地に出向くというならまだ我慢もできるが、テレビ映りのためなら何をかいわんや、だ。

 "内閣府"や"厚生労働省"のマークが入った防災服を着ている国会議員が少なくないことに違和感を抱いていたが、被災地から離れた国会周辺で、なぜ防災服を着用する必要があるのだろうか。国会内で、大臣や副大臣、政務官が防災服を着用して歩く後ろを、背広姿のSPや秘書官が付き従う光景は滑稽としか言いようがない。
 
 ついでながら、政治家が選挙のときに使う決まり文句は、「死ぬ気でがんばる」「命がけで国のために働く」などだ。しかし、福島第一原発において、文字通り命がけで活動しているのは、消防や自衛隊に所属する名もなき英雄たちで、政治家の姿はない。東京電力や政府が繰り返す、「直ちに影響があるものではない」程度の放射性物質の量なら、現地に飛んで、原発封じ込め作業に従事する人たちを激励する政治家がいてもよさそうなものである。もちろん、そのときはロゴマーク入りの防災服を着て行ってもらいたい。
 覚悟もないのに格好だけつけるな、ということだ。

 復興への舵取りを、この政権に任せられるとは思えないが・・・。



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