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自民・八女郡支部が政治資金規正法違反
~福岡7区に見る金権政治の現実(4)~

2011年4月20日 08:30

 元自民党幹事長・古賀誠氏(衆院福岡7区選出)の関連政治団体における政治資金の動きを追うなか、福岡7区内の「自由民主党八女郡支部」が、平成21年の政治資金収支報告書に事実とは違う収入額を記載していたことが判明した。
 HUNTERの指摘を受けた同支部は先月、事実関係を認め、政治資金収支報告書の大幅修正を行なったが、なおも正確な収支の実態は記載されていない。取材の結果から言えば、現時点においても、同支部の政治資金の扱いは政治資金規正法に違反している。
 さらに、同支部側は、取材を受けた後、会計帳簿自体をつくり変えたとしており、改ざんの可能性も浮上。同支部の政治資金収支報告は、信頼性がまったく担保されていない状態だ。
 同支部に対しては、古賀元幹事長が代表を務める「自由民主党福岡県第七選挙区支部」から平成20年に700万円、同21年に600万円の"交付金"が支出されていたことが分っている。(本シリーズ既報)

消えた古賀誠氏側からの400万円
 同支部が福岡県選挙管理委員会に提出した平成21年分の政治資金収支報告書には、同年5月14日に古賀誠・元自民党幹事長が代表を務める「自由民主党福岡県第七選挙区支部」(以下、第七選挙区支部)から200万円、同年8月7日に40万円の交付金収入があったと記載されている。
 これに対し、第七選挙区支部側の同年の政治資金収支報告書では、前記5月14日に「600万円」の交付金を支出したことになっているが、8月7日に40万円を支出したとの記載はない。

収支報告書1  収支報告書2

領収書
 第七選挙区支部が県選管に提出した同年の領収書の写しを情報公開請求によって入手したところ、5月14日に八女郡支部側が発行したと思われる「600万円」の領収書が存在した。さらに、同年の自民党県連の収支報告書から、県連が8月5日に八女郡支部へ40万円を支出したことが確認された。この40万円が8月7日に八女郡支部に入金されたものである。一連の事実から、八女郡支部の収支報告書の記載に信憑性がない状況となった。
 収支報告書の上では、古賀誠氏側が八女郡支部に出した総選挙の軍資金600万円のうち400万円が消えていたのだ。


八女郡支部、間違い認めたが・・・
 3月8日、八女郡支部の会計責任者および事務担当者に取材したところ、第七選挙区支部への「600万円」の領収書は、八女郡支部の事務担当者が、古賀誠事務所からの指示で作成したものに間違いないという。
 さらに、、収支報告書における収入の記載金額等が帳簿とはまったく違っていることを認め、関係書類を精査するとしていた。
 3日後の11日午前、八女郡支部側は県選管を訪れ、平成21年分の同支部収支報告書を次のように修正する。

収支の総括表部分では、
「収入総額」8,521,159円→12,852,625円(4,331,466円プラス)
「本年の収入額」2,849,800円→ 7,181,266円(  同   )
「支出総額」8,056,106円→10,137,667円(2,081,561円プラス)
「翌年への繰越額」465,053円→ 2,714,948円(2,249,895円プラス)

また、"個人の負担する党費又は会費"は
「金額」449,800円→0
「員数」378人→0
となっている。

 収入について細かく見ていくと「自由民主党第七選挙区支部」からの交付金収入200万円を「600万円」に訂正。さらに、党費還付金として242,500円と208,000円が新たに加えられたほか、その他の収入(1件が10万円未満)として332,766円も追加され、これだけで781,266円が増えた形だ。この数字からゼロに訂正された"党費又は会費"の449,800円を引くと純増は331,466円だ。
 収入全体としては、4,331,466円増えているが、訂正の結果ゼロになった"個人の負担する党費又は会費"が当初449,800円だったのに、党費還付金として加わった金額は781,266円となっており、どの数字が正しいのか判然としない。

 支出については、
人件費 680,000円→490,000円(19万円マイナス)
事務所費 550,912円→2,026,909円(1,675,997円プラス)
組織活動費6,430,553円→7,098,117円(667,564円プラス)
その他の経費224,841円→352,841円(12,800円プラス)
と訂正されており、支出額総も8,056,106円から10,137,667円へと200万円以上増加した。
 詳しく見ると、組織活動費の「大会並に各種事業」の項目で5万円未満の支出を667,564円、雑費の5万円未満を128,000円増やしている。
 収入増加分4,331,466円の残り2,249,905円は、単純に翌年への繰越額を増やすことで処理された。ずいぶん安易な修正ではある。

それでも政治資金規正法違反 
 一応、古賀元幹事長の第七選挙区支部から支出された600万円が全額表に出た形にはなったが、残念ながらこれらの修正で収支報告書に信頼性が取り戻せたかというとそうではない。
 大幅な修正自体、同支部の会計処理の杜撰さを示しているのだが、修正された数字はもちろん、その他の記載数字すべてに疑念があるのだ。
 じつは、ここ数年の同支部の収支報告書には、もともと帳簿とは違う金額が記載されていた。本稿が八女郡支部の政治資金処理について「政治資金規正法違反」と断じるには理由があるのだ。
 それは、取材の折、同支部の帳簿を見た瞬間に分っていたのだが・・・。  
 

つづく



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