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福岡県町村会・山本前会長 自民支部、後援会「知らない」

2011年3月28日 15:48

 今月11日、福岡県町村会の事務局内に、自民党支部が存在していたことを報じたが、平成18年から同19年にかけては、当時の自民党参議院議員・森元恒雄氏の支援団体「森元つねお福岡県後援会」(平成19年8月に解散)も事務所を置いていた。
 自民支部同様、代表者は、町村会の前会長山本文男氏(前添田町長)だった。現在の町村会事務局長は、「森元つねお福岡県後援会」については自身の就任前に解散したため何も分からないとしており、改めて山本前会長に経緯を聞いた。

 森元・元参院議員は、総務省(入省時は旧・自治省)の官僚から国政に転じ、平成13年の参院選に自民党公認(比例区)で出馬し初当選。2期目を目指した同19年の参院選で落選している。
 町村会関係者が、地方自治体と密接な関係にある総務省OBの森元氏を個人的に応援するのは自由だが、公費で運営されている町村会事務局内に特定政治家の後援会事務所を置くことはどう見ても不適切だ。
 森元氏は参院比例区選出で全国が選挙区。その後援会は、北海道から沖縄までの大半の都道府県に設立されており、各地の町村会内など公的な組織内に事務所を置いていたことが分かっている。町村会、自民党、そして総務省による癒着の構図だ。

人件費、事務所費の存在
 問題は、それぞれの自治体に存在した森元氏の後援会において、多額の人件費や事務所費が支出されていたにもかかわらず、その内容がほとんど明らかにされていないことである。
 例えば、福岡県町村会の事務局にあった「森元つねお福岡県後援会」は、平成19年に人件費として322,865円、事務所費として348,832円を支出しているが、内容は全く分からない。原資は前年の同後援会設立時に森元氏の資金管理団体「地方自治研究会」から寄附された100万円だった。他の収入としては19年に585円が寄附されただけで、2年間の収入トータルは1,000,585円。設立年(平成18年)に事務所費4,118円を使ったほかは前述の人件費と事務所費以外に支出は見当たらない。残りの324,779円は、前述した森元氏の資金管理団体「地方自治研究会」に、寄附の形で"返金"されていた。参院選敗北で、活動の必要がなくなったためと見られる。

 不可解なのは、平成19年に、それぞれ30万円を超える支出があったとする人件費と事務所費だ。
 「森元つねお後援会」が置かれていたのは町村会事務局のなかで、家賃を払っていた形跡はない。同後援会の活動実態を知る首長もおらず、現事務局長も就任前のことで内容を全く把握していない。人件費とされる支出にしても、どのように使われたのか誰も分からないという。同団体の会計責任者も所在がつかめていない状況だ。

山本前会長、関与を否定 
 26日、添田町の山本前町村会会長を訪ね、「森元つねお後援会」と「自由民主党福岡県地域振興支部」について話を聞いた。
 町村会事件当時、険しい表情で対応することが多かった山本前会長だが、この日は終始おだやかな対応。「私は世捨て人だから」と言いながら、「森元恒雄?誰かさえ覚えていない。自治省出身なら応援してたんでしょうね。事務方しか(事の経緯は)分からんでしょう」。さらに自民党支部の存在についても、町村会事務局の人間に聞いてもらわなければ答えようがないとして関与を否定した。

 町村会内にあった自民支部と参院議員の後援会について、町村会を舞台にそれぞれどのような活動をしていたのか、誰も分からないという不思議な事態になった。

森元つねお福岡県後援会 収支報告書

森元つねお福岡県後援会 収支報告書 支出項目別金額の内訳



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