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東京湾岸液状化~浦安市の現実~福岡・人工島への警告

2011年3月24日 08:15

 東日本大震災は東北地方一帯に甚大な被害をもたらした。津波により地域社会ごと壊滅状態となった自治体では、これから復興に向けて難しい判断を迫られる。伝来の土地に再び街を再建するのか、高台での新たな街づくりを目指すのか、あるいはまた地域ごと全く別の自治体に移るのか・・・。菅政権の迷走を見るにつけ、復興へのビジョンを政府に求めるのは無理な話で、街づくりの方針決定は、住民の判断に委ねられよう。それが「自治」ではある。
 戦後の焼け跡から立ち上がったこの国には、どん底を跳ね返す力を持った遺伝子があるはずだ。もちろん、同じ過ちはくり返さないのだという強い意志も必要である。

浦安市・液状化の実態 便袋配布も
 ところで、震災の被害は東北だけにとどまらず、東京湾沿岸部にも及んでいる。範囲は広く、茨城、千葉から東京・お台場、新木場、ぐるりと横浜あたりまでの「液状化」が顕著だ。

 ディズニーランドで知られる千葉県浦安市では、液状化などで市民生活に重大な影響を及ぼしている。
 浦安市役所に取材したところ、液状化によって、市内各所で地盤沈下が起きたほか、広域で下水道使用を制限せざるを得ない状況だという。11日の地震発生により、電気、水道、ガス、といったライフラインが止まったが、徐々に復旧。水道については、かなり状況が改善されてきたとしている。

 深刻なのは下水道で、本管が詰まったり破壊されているため、水が流せない。風呂はもちろん、トイレ使用もできず、市内780箇所に仮設トイレを設置しているほか、「便袋」の配布も行なっている。下水道使用制限地域の対象は約13,000世帯で、復旧の見通しは立っていない。制限区域外なら下水道を自由に使えるかというとそうではない。区域外でも下水道に生活排水が流れることには変わりなく、全市的に多くの市民が不自由を強いられてる。(数字は22日現在)
 さらに、液状化によって沈んだ地盤は元には戻らないとされており、今後の復興には困難が予想される。早急な公的支援が必要であることは言うまでもない。
 
 浦安市の実情は、埋立地が多いわが国に大きな課題を突きつけている。福岡市も対岸視してはいられないのだ。 

人工島、重い「液状化」の事実 
液状化現象 写真は、平成17年3月20日に起きた「福岡県西方沖地震」で、福岡市東区の人工島・アイランドシティが受けた被害状況である。撮影は地震発生の翌日で、最も顕著に液状化現象が現れた箇所が、「香椎アイランドブリッジ」から「海の中道大橋」にかけてのアイランドシティ1号線沿い。つまり「新こども病院」の移転予定地西側に沿った道路だ。 
 大半の電柱が大きく東側に傾いているほか、液状化による噴砂、フェンスの倒壊、地割れなどが確認される。 
 この時の人工島は、浦安市ほどの被害はなかったが、玄界島が壊滅したことを忘れてはならない。
 そして、いま問われるべきは、本当に人工島に「こども病院」を建てて良いのか、ということだ。
 万が一の場合、揺れや津波には耐えられるのか。液状化でライフラインに打撃を受けることはないのか。そういったことについての再検証が必要だろう。こども病院だけでなく、青果市場にしても同様のことが言える。
 現在人工島に居住する市民のためにも、災害対策について抜本的な見直しが迫られている。過ちを繰り返す必要はない。

液状化現象  液状化現象



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