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メディアを潤す公明・学会マネー

2018年2月22日 17:28

00000公明収支.png 新聞やテレビのニュース番組で安倍首相や自民党への批判を見聞きすることはあっても、与党公明党の動きを厳しく批判する報道は少ない。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認、安全保障法制といった平和国家の根幹を揺るがす事案に賛成して政権を助け、選挙では自民党の勝利に大きく貢献してきた公明党に対し、なぜか大手メディアは寛容だ。
 背景にあると言われてきたのは、公明党と支持母体である創価学会によるメディア支配。特に、同党と学会が委託する「印刷業務」のせいで、新聞社は学会に頭が上がらないという指摘がある。調べてみると、公明党が総務省に提出した政治資金収支報告書の中に、「メディア支配」の実態を示す記載があった。

■全国紙、地方紙に公明新聞印刷費
 公明党が総務省に提出した平成28年分の政治資金収支報告書を確認すると、支出の項目に「公明新聞印刷代」が出てくる。縮刷版を含めて367件に上る印刷代を、新聞社ごとに下の表にまとめた。

00000公明1.png00000公明2.png矢印-thumb-200x46-11214-thumb-200x46-11217-thumb-200x46-11248.jpg00000-新聞社への支出2.png

 公明党から新聞の印刷を委託されているのは、毎日、読売の全国紙をはじめ北海道から沖縄までのブロック紙、県紙、地域紙とその系列会社。年間約14億6,000万円の政治資金が、「公明新聞印刷代」として全国各地の新聞社や新聞社の系列に流れている。公明新聞の発行部数は公称80万部と言われている。
(*高速オフセット、東日印刷は毎日新聞系列)

■公称550万部「聖教新聞」の印刷費も
 問題はここからだ。上掲の表に出てくる新聞社やその系列の印刷所には、創価学会が発行する「聖教新聞」の印刷も委託されている。聖教新聞の発行部数は公称550万部。事実なら、公明新聞の約7倍の部数を、新聞社とその系列が印刷していることになる。

 公明新聞と聖教新聞の1部のボリュームが違うため乱暴な計算となるが、14億6,000万円×7で約100億円前後の印刷費。公明新聞の印刷費と合わせれば、およそ115億円もの公明・学会マネーが全国の新聞社を潤していることになる。

 もちろん、現場の記者たちが公明党や学会に遠慮するということはあるまい。しかし、経営側としては、毎月大きな印刷費を支払ってくれる相手は粗末にできない。加えて、創価学会によるテレビ、ラジオへの広告宣伝費――。公明党・創価学会による「メディア支配」は、現実味を帯びる。

 各級選挙で公明・創価学会の協力がなければ、自民党は苦しい戦いを強いられる。冒頭に述べたように、安倍政権を支えてきたのは公明党だ。平和国家の姿を歪めた責任の一端は、公明党にあると言っても過言ではあるまい。批判の筆先が、新聞印刷代やCMの予算で鈍ってはいないか?



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