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僭越ながら:論

桜吹雪が見てみたい

2017年6月 1日 09:20

 時代劇・遠山の金さんの決め台詞といえば「この桜吹雪が見えねえか!」――。お白州で「身に覚えがありません」としらを切る悪党に、町奉行・遠山金四郎がもろ肌脱いで桜吹雪の入れ墨を見せるくだりは痛快だった。
 いつの世にも、悪行を見抜かれ見苦しい振る舞いに及ぶ悪党がいるもの。それが総理大臣や官房長官というのだから、呆れてものが言えない。憲政史上、これほど醜悪な政権があったか――。

■見苦しいぞ安倍政権!
 加計学園の獣医学部新設をめぐり、真相を告発した前文科事務次官の証言を虚構と決めつけ、強弁を重ねる首相や官房長官。その姿は、まさに時代劇の悪党そのもの。告発者の人格を否定し、「こいつが悪い」とわめきたてるところもそっくりだ。

 加計学園の加計孝太郎理事長は安倍首相の「腹心の友」。首相やその周辺が立場を利用し、お友達のために「岩盤規制に穴をあける」と称して教育行政を歪めたのが国家戦略特区を利用した疑惑の構図である。特区を悪用した加計学園の獣医学部新設では、あってはならない学部新設の認可が下された上、学園側に37億円の価値があるといわれる公有地と100億円近い補助金まで与えられている。

 国政への信頼が揺らぐ重大な事態であるにもかかわらず、政府・与党は前文科次官の証人喚問を拒否。前次官のスキャンダルを御用新聞に報じさせ、人格を攻撃することで証言の信憑性を薄める作戦に打って出た。だが、前次官のスキャンダルと加計疑惑は別次元の問題。出会い系バーの話は前次官の個人的な倫理に関する問題だが、政府ぐるみの便宜供与は国家・国民への背信行為なのである。これを同一に論じる官房長官……。見苦しいと感じているのは、筆者だけではあるまい。

 森友学園問題に関する政府・与党の対応も、見苦しいと言うしかない。かつて戦時体制を支えた「教育勅語」を幼稚園児に暗誦させるような学校法人が小学校の認可を受け、9億円以上はする国有地が格安で払い下げられた。どうみても“クロ”としか思えない昭恵夫人の関与を、政府・与党は完全否定。出てくる証拠は関与を裏付けるものばかりなのに、夫人の囲い込みを徹底させ、真相究明が不可能な状況を作り出している。民間人である森友の前理事長・籠池泰典氏は喚問に呼んでも、公人に等しい昭恵夫人は呼ばないという理不尽。「一強」をいいことに、悪党がのさばる世の中ということだ。

 加計と森友への厚遇は、学園トップがいずれも総理の関係者だったからこそ可能になった話。一般庶民にそうした僥倖がもたらされることなど、絶対にあるまい。森友、加計で教育行政が歪められたのは、誰の目にも明らかだ。

■聞いて呆れる「教育再生」
 安倍首相の公式サイトをのぞいてみると、政策の一つの柱として「教育再生」が掲げられており、そこにはこう書かれている。
 ――安倍内閣が掲げた「美しい国、日本」の姿は、品格ある国家、社会を創り、世界から信頼され、敬愛される国です。誰もが日本に生まれたことを喜び、誇りに思うことができる国創りを目指すためには、教育の再生が必要です。

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 疑惑と真摯に向き合うことのできない政治家が治める国のどこに「品格」があるのか?疑惑に背を向ける政府が「世界から信頼され、敬愛」されるのか?国の歪みを証言した人間を叩きつぶそうとする国に生まれたことを、「喜び、誇りに思う」子供がいるのか?「教育再生」を訴える政治家ならば、主張と現実の溝を埋める責任があるだろう。

 森友、加計で歪みを露呈した安倍政権。政府の犯罪行為を裁く桜吹雪を見てみたい。



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