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箱モノ4事業に620億円! これでいいのか福岡市政
福岡市長 政治資金荒稼ぎの背景(下)

2016年3月30日 07:10

福岡市役所 自己主張が強いのは政治家の常だが、高島宗一郎福岡市長が誇示する実績には、市民を欺く内容のものが少なくない。
 例えば、最近市長がよく口にする市税収入の件。「過去最高の市税収入」「1期4年間で市税収入が170億円増」などと、事あるごとに税収が伸びたことを自慢する市長だが、定住人口も増え、市内の地価が上がっているのだから増収は当然。市長のおかげというわけではあるまい。何より問題なのは、増収分が吹っ飛ぶ“無駄な公共事業”が目白押しとなっている歪んだ市政の現状だ。
 福岡市が建設計画を進める四つの「箱モノ」事業に、合計で約620億円もの事業費がかかることが分かった。
(写真は福岡市役所)

税収増170億円を自慢する市長だが……
 下は、今月28日に高島市長が福岡市内のホテルで開いた政治資金パーティーの案内文書。市長は挨拶の中で、税収が増えたことを自慢している。(赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

政治資金パーティー案内文書

 1期4年間で市税収入が170億円増え、伸び率6.3%は政令市のなかで1位なのだという。結構な話だ。誇らしげに170億円と述べており、これを聞いた市民は感心するかもしれない。だが問題は、1期4年間で170億円増えたという市税収入の行方。どれだけ税収が増えても、市民の暮らし・生活が楽にならないとすれば、それは評価に値しない。ましてや、無駄な公共事業に税金を垂れ流すとすればどうか――。

箱モノ4事業
 現在、福岡市が計画を進めている主な「箱モノ」事業は、次の四つだ。

 ◇福岡市総合体育館(市内東区の人工島=アイランドシティに建設予定)
 ◇福岡市科学館(市内中央区六本松の九大跡地に建設予定)
 ◇福岡市美術館リニューアル(市内中央区大濠公園の美術館をリニューアル)
 ◇新市民会館(市内中央区須崎公園内で福岡市拠点文化施設として整備)

 市長は、個別の事業について説明することはあっても、箱モノ4事業全体に、どれだけ税金をつぎ込んでいく予定なのか明確に述べたことはない。定例会見でも政治資金パーティーでも、話すのは景気のいいことばかり。この4事業にかかる事業費については、無頓着だ。箱モノ4事業にかかる事業費について、公表された額をまとめるとこうなる。

事業費表

 総合体育館、科学館、美術館リニューアル、新市民会館……。4つの事業は、すべて予算が100億円超。全部で620億円という途方もないカネが、「箱モノ」に費消される予定だ。もちろん、公共事業なのだから“PFIで安く上がる”などという子どもじみた言い訳は通用しない。いずれの事業も、税金投入が前提なのだ。しかも、事実上の借金積み上げ。どれだけ「4年間で170億円の増収」と叫んでも、4倍近くの無駄遣いをやっては意味があるまい。歴代市長の中で、これほど箱モノ行政に精を出した市長は、いなかったはずだ。

問われる市政の方向性
 なぜ個々の事業費がここまで膨れ上がったのか?本当にこれほど巨額な事業費が必要なのか?実情を知った市民の多くがそう思うはずだが、自・公が多数を占める市議会では、そうした素朴な市民の声が反映されることなく、高島市政の暴走がまかり通ってきた。620億円もあれば、喫緊の課題である子育て支援や高齢者対策に、より多くの予算を投入できるはず。福岡市民は、箱モノ重視となっている高島市政を、本当に良しとするのだろうか……。

 ちなみに、高島市長が大規模な政治資金パーティーで集めている額は、毎回およそ2,000万円~3,000万円。「ぼったくり」との批判も聞こえてくるが、最も売り上げに貢献しているのは、「建設業界」だという裏話も伝わってきている。



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