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高島福岡市長 選挙直前に「戸別訪問」?
公務は二の次 ― 問われる良識

2015年4月28日 08:45

高島市長 昨年11月の福岡市長選挙で再選を果たした高島宗一郎市長(写真)の陣営が作成したスケジュール表から、市長が役所の業務時間中に、選挙に向けた挨拶回りなどを繰り返していた状況が明らかとなった。
 スケジュール表は、HUNTERが独自に入手した同陣営選挙関連資料の一部。それによると市長は、告示前の平日に自民党市議らの地元で「引き回し」を受けるなど事前活動を展開。公務は、集票につながりそうな行事だけを選んで参加した格好となっていた。
 特別職とはいえ、高島氏は現職市長。給与の支給期間であったことを考え合わせると、政治家としての良識が問われそうだ。

業務時間中に「個別訪問」
 HUNTERが入手したスケジュール表は、昨年10月27日から11月16日の投・開票日までのもの。市長陣営から流出したもので、3枚に分かれている。用務ごとの開始・終了時間、場所、担当などが明記されているほか、市長、副市長(3人)のうち誰が参加するのかが「○」で示されていた。下は、10月27日から11月2日の告示日までのスケジュール表である。

高島市長日程表

 平日の業務時間帯から主だった市長本人の日程を拾ってみると、まず27日の月曜日、9時からの庁議だけは真面目にこなしているが、午後は市長選向けの政策発表会見に続いて、九電の仕事を受注している企業が組織する「九電商友会」の集まりに参加。支援を呼びかけたとみられる。

 翌28日、8時45分から城南区選出の県議とグランドゴルフ大会。午後は上京して安倍首相から「推薦状」の授与を受けていた。

 29日は早朝から自民党市議団会長の企業後援会の会合、市議会議長とその地元の公共施設起工式(公務)と続き、姉妹都市である仏・ボルドー市の文化交流事業団表敬訪問をすっ飛ばして、早良区の市議に同区内の「引き回し」を受けていた。30日も9時から昼まで南区の「引き回し」。午後は夕方まで西区内の「引き回し」だったとみられる。「引き回し」は31日にも東区で行われていた。

 「引き回し」とは、選挙の事前活動の一つ。その土地や企業・団体に一定の影響力を持つ人間に同行してもらい、支援を頼んで回る行為である。件数にもよるが、訪問先との会話の内容が「投票依頼」だったと認められた場合は、公職選挙法が禁止している「戸別訪問」とみなされ処罰の対象となる。選挙直前の挨拶回りが何を目的とするかは誰の目にも明らか。違法性が問われてもおかしくない活動実態だ。

問われる市長の「良識」
 選挙期間中は大目に見るとしても、告示前の業務時間中に、戸別訪問を繰り返す行為はいただけない。高島市長の1期目の任期は、昨年の12月6日。それまでは給与が支払われる。当然、公務を優先すべきだが、日程表の記載からはそうした配慮は露ほども見えてこない。わずかにこなした公務は、人が集まる場所での行事ばかりなのである。

 スケジュール表を見たある市議会関係者は、呆れてこう話す。
 ―― 市長としての仕事はなにもやっていないな。公務といえば業界の集まりや式典への参加だけ。おそらく、これ(10月27日)以前から顔見せ興行的な日程が続いていたのではないか。歴代市長は、選挙直前だけでなく選挙中でも公務を優先したスケジュールで動いていたものだ。高島さんらしいと言えばそれまでだが……。

 福岡県内の首長経験者にも話を聞いてみた。
 ―― 選挙前の時期をどう過ごすか決めるのは、その首長自身。公務を最優先させるのが当たり前だが、現実にはそうでないケースが少なくない。ただ、現職は職務を全うするのが責務。なすべきことを自覚しているのなら、選挙中であっても公務を入れるものだ。選挙前の活動は、選挙スタッフや後援会関係者に任せるべき。市民は市長に給料を払っているのであって、候補者に払っているわけではない。要はその政治家の良識の問題。福岡の市長さんは、そこが欠けているということだろう。

 議会開催中の業務時間内にフィットネスクラブで遊び、東京出張では都心の夜をプライベートにあて楽しんでいた高島氏のこと。もともと政治家としての良識など持ち合わせていないのかもしれないが……。



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