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福岡市長 米国出張中止で市民の損害190万円

2015年1月21日 08:05

井上議員の選挙運動を行う高島市長 class= 高島宗一郎福岡市長が、公務の米国出張を中止した問題で、税金無駄遣いの実態が明らかとなった。
 福岡市への情報公開請求でわかったもので、米国出張に絡む予算の総額はなんと約700万円。出張中止にともなって発生したキャンセル料などの損害額は約190万円に上っていた。
 出張中止は、昨年師走の総選挙で福岡1区から立候補していた井上貴博衆院議員を応援するためだったとみられており、公私混同の末、尻拭いを市民に押し付けた形。高島氏の公人としての資格が厳しく問われる事態だ。
(写真は、井上議員の選挙運動を行う高島市長。井上議員のFacebookより)

異例の高額予算 
 国家戦略特区絡みで計画されたこの出張の訪問先は、IT関連企業が集まるワシントン州シアトル市とシリコンバレーがあるカリフォルニア州サンフランシスコ市。11月30日に福岡を発ちシアトルを経てサンフランシスコに入り、両地で主として企業経営者らとの意見交換に臨むほか、福岡市のPRなどを行い、6日に帰福する予定となっていた。市関係者によれば、シアトルは高島氏お気に入りの都市。“福岡市はシアトルを手本にすべし”というのが市長の持論で、それだけに今回の出張には並々ならぬ意欲を持っていたという。

 それを証明するかのように、問題の出張には、異例の高額予算が組まれていた。市長及び随行職員4名の旅費に、米国滞在中のコーディネートを丸投げした2件の業務委託契約を加え約660万円。地慣らしのため先乗りした職員の旅費や別の公務で早期に出張予定から外れた職員の分を加えると、当初予算は700万円を超える。

キャンセルでの損害も多額
 一方、出張キャンセルにともなって発生した交通費のキャンセル料は総額約40万円。これに、無駄になった先乗り職員の旅費約19万円を足すと、旅費だけで60万円の損失。問題は業務委託費で、仕事自体が進んでいたことから、2件で計130万円あまりを支払っていた。下は、予算額とキャンセル料、一部の支払いを余儀なくされた業務委託費についてまとめた表だ。

旅費額.jpg

 出張キャンセルで生じた支出が1,703,144円、これに先乗り職員の旅費193,956円を加算すると損害金は全部で1,897,100円。予算額の3割近くをどぶに捨てた格好だ。出張中止が、友人の代議士の選挙運動を手伝うためだったとすれば、それは明らかに私的理由。高島氏の身勝手によって生じた損失を、市民の税金で穴埋めしたことになる。

市民オンブズマン福岡・児嶋代表幹事の話
 こうした事態をどう見るか――市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事に話を聞いた。

児嶋代表幹事 ― 開いた口が塞がらない。必要な出張なら実施すべきだが、どうも重要度が低かったとしか思えない。だからこそキャンセルしたのだろう。中止の理由を『特区関連法案の流動化』としているが、法案審議もはじまっていない段階で、巨額な予算をともなう出張を計画すること自体が間違いだ。これは、公式な理由がこじつけに近いことを意味している。特定候補の選挙運動を行うために出張を取り止めたというのなら、市民への背信。どっちを向いて市政を行っているのかという話になる。本当に必要な出張だったのか―、中止に至った真の理由は何か―、その2点が厳しく問われるべきだろう。



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