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高島福岡市長 出張取りやめ選挙運動
市政放棄し特定候補の支援

2014年12月 9日 08:50

自民前職を応援 福岡市の高島宗一郎市長が、公務出張の予定を取りやめ、総選挙に立候補している自民前職の応援に注力していることがわかった。
 予定されていたのはアメリカへの視察。今月初旬に6日間程度の日程が組まれていたが、総選挙のスケジュールが示された後、突然中止に――。公示後、高島氏は福岡1区から立候補している無所属前職の選挙運動に度々参加しており、市政の課題を放り出し、懇意にしている政治家の議席維持に走った形。公私の区別をわきまえぬ高島氏の姿勢に、批判の声が上がりそうだ。(写真は自民前職のFacebookより)

戦略特区絡みの視察―突然の中止
 高島氏の公費出張の行き先はアメリカ北西部にあるワシントン州シアトル市。マイクロソフトやアマゾンといったIT関連企業の本拠地があることから戦略特区絡みの視察だったとみられ、同市の他シリコンバレーにも足を延ばす計画だったという。出張が予定されていたのは12月初旬、。先月16日の福岡市長選で再選を果たした高島氏にとって、1期目最後の海外出張だった。

 ところが、市長選投開票から2日後の18日、安倍首相が消費増税の先送りと衆院の解散を表明したことで、シアトル行に暗雲が漂い出す。福岡1区では、自民党公認を巡って、前回総選挙において選挙区で当選した前職と比例区に回った前職が一歩も引かずに対立。選挙区の前職には麻生太郎副総理が、比例前職には古賀誠元幹事長がつき、調整が難航した。結局、前職両人とも無所属で立候補し、「勝った方が自民」という前代未聞の展開に――。民主元職との三つ巴の戦いとなっており、誰が落選してもおかしくない状況だ。

 福岡市内を地盤とする自民党代議士のうち、唯一高島氏と親しいのは福岡1区から出ていた元県議の前職。2区、3区選出の自民前職や比例前職と高島氏との間には距離があり、市長選の同党推薦を巡っては3代議士とも消極的な姿勢だったとされる。さらに、1区前職は、高島氏の後ろ盾である麻生副総理や中村明彦県議のグループ。麻生派の高島氏としては、1区の前職は絶対に落とせない状況だった。こうしたなか、高島氏のアメリカ出張が中止される。突然のことだったという。

寸暇を惜しんで選挙運動
 アメリカ出張を取りやめた高島氏が何をしているか――?下は、自民前職のFacebookに公表された選挙戦の模様。候補者ともども支援を呼びかけて回る高島氏が紹介されている。

自民前職のFacebook (1)

自民前職のFacebook (2)

自民前職のFacebook (3)

 前掲2番目と3番目の画像は、それぞれ今月6日と7日に行われた自民前職の選挙運動の様子。高島氏は土日を利用しての応援だ。しかし、一番上の写真は公示日の2日、出陣式での一コマであり、市役所の業務時間中ということになる。現職市長が、ここまで特定候補の選挙応援にのめり込んだ例はほとんどなく、市幹部OBも「記憶にない」と話す。

 市長選で高島氏は、福岡市が戦略特区に選ばれたことを前面に押し出し、その重要性を訴えた。アメリカ出張が、特区絡みの視察だったとすれば、自らが語ってきた市政の重要課題を放り出し、お友達の選挙応援を優先させたことになる。しかも、アメリカ出張が公務だった以上、市職員をはじめとする関係者が動いており、準備に税金がかかったことは明らか。アメリカの関係者に対しても非礼だ。計画をチャラにして選挙に力を入れるなど、首長として許される行為ではあるまい。高島氏が支援する候補は「無所属」。個人的な応援であることは疑う余地がなく、公私の区別がついていないことも問題だ。

もともと不必要な出張?
 ところで、アメリカ出張は「中止」なのか「延期」なのか。市長の日程を管理する市長室秘書課に確認したところ、アメリカ出張が予定に入っていたことを認めた上で、「中止」になったと明言。理由については「わからない」という。まともな役所なら、出張中止の理由がわからないはずがない。「延期」ではなく「中止」だと言うところをみれば、もともとの計画自体が、必要性のないものだったと判断せざるを得ない。

 高島氏の東京出張を巡っては、片道分の旅費を自己負担する形で東京滞在日数を延ばし、芸能人との飲み会に参加するなどプライベートを楽しんでいたことが明らかになっており、公費出張の必要性について、精査を求める声が上がっている。



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