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福岡市長選25万6千票 ますます歪む高島市政

2014年12月 8日 09:00

福岡市役所 福岡市長選の投開票から3週間経った。当選した高島宗一郎氏の得票は256,064票。圧勝であることは確かだが、約118万人の有権者のうち、投票したのは38.73%。絶対得票率は21.7%でしかない。5人のうち4人は不支持だったということだ。人気があるのかないのか、よくわからない結果だが、形として同氏が信任を得たことは事実。積極的か消極的かの違いはさて置き、市民は高島市政の継続を認めたことになる。
 その市長選終了の翌日から、HUNTERにはほぼ連日、選挙結果についてのご意見メールが送られてきている。疑問や不満、当サイトへの批判と様々だが、この際、配信記事の形でそうした声に回答を示させていただく。(写真は福岡市役所)

高島圧勝とメディアの不作為
 「こうした結果になった要因は?」「片道分自腹の東京出張や、飛行機のファーストクラス、ハイヤー使い放題といった問題点は、なぜ争点にならなかったのか?」「高島市政の追及は終わったのか?」――ご意見メールの内容は、ざっとこの3点にしぼられる。メール送信の動機としては、高島氏の大勝を心底から不可解に思っている場合と、皮肉である場合のどちらか。パフォーマンスばかりで市民の暮らしを顧みない市長の愚かさを知っている人にとっては、信じられない選挙結果だったようだ。一方、皮肉を込めてのメールは2種類。変わらぬ現状へのもどかしさをぶつけたきたものと、HUNTERの報道を快く思っていな高島支持者のものである。

 「こうした結果になった要因は?」「片道分自腹の東京出張や、飛行機のファーストクラス、ハイヤー使い放題といった問題点は、なぜ争点にならなかったのか?」――そうした問いに対しては、まずお詫びからということになる。歪んだ市政を変えられなかったことは、伝える力が不足していることの証しである。HUNTERの力不足については、率直に反省するしかない。記事への信頼性をより高め、さらなる情報発信を続けることで答えを出していきたい。ただ、高島圧勝を招いた要因の一つに「市政記者クラブ」の不作為があったことは、改めて述べておきたい。

 高島氏の市長就任以後、HUNTERは一貫して同氏の政治家としての資質や、市政の歪みについて報じてきた。不明朗な政治資金処理、市長の友人による不当な市政への関与、仮想行政区カワイイ区の実態、議会中のフィットネスクラブ通い、認可保育園の移転をめぐる疑惑……。数え出せばきりがない。極めつけは、片道分を自己負担する形での東京出張であり、ファーストクラス、ハイヤー利用といった庶民生活からかけ離れた愚行についての報道だった。

 こうした市長の不行跡、市政の誤りについて、市政記者クラブ加盟社が独自に検証し、詳しく報じたケースはこの4年間で皆無。市政の実態が市民に伝わらなかったということだ。事実、市長選直前の取材で、歪んだ市政の実例を挙げ、感想を求めた有権者の多くが「知らなかった」と答えている。自社サイトの非力を痛感させられると同時に、大手メディアの不作為が政治や行政の歪みを助長している現実を痛感した次第だ。権力側の情報操作や事実の隠ぺいに、記者クラブが手を貸しているのが現状で、その実態については、近く別の視点から報じる予定である。

監視カメラは何を見張る?
9階(1) さて、右は市長室がある市役所9階の写真。廊下を挟んだ反対側には3人の副市長の部屋もある。以前は、エレベーターを降りてこのフロアへ、誰もが自由に行き来できた。しかし、高島市政になってガラスドアは締め切り状態。警備員を通さなければ中には入れなくなってしまっている。
 さらに下の写真。ガラスドア付近の天井に設置された監視カメラだ。何を監視しているのか分からないが、市民を信用していない高島氏の姿勢を、如実に物語る光景である。

9階(2) 9階(3)

 情報発信力が売りの高島氏だが、たれ流されているのは市にとって都合の良いことばかり。市政記者クラブが高島市政の広報になっている現状では、市幹部の行状や失政が新聞やテレビのニュースになることはあるまい。メディアが黙れば権力は暴走する。案の定、ガラスドアの向こうでは、市民を踏み台にしたとんでもない動きがある。

噂される建設業界との関係
 選挙後、市が計画しているハード面での施策(つまり「箱モノ」)を、前倒しで進めるようにとの指示が出ているのだという。推定される事業としては、総合体育館、市民会館、大型展示場。事業費は、合わせて数百億円規模に上る。建設業界としては、黙って見ているわけにはいかない。市長選で、業界の一部が高島陣営に大きな貸しを作ったのは言うまでもない。

 すでにこれまでの取材で、人工島(アイランドシティ)のある事業を巡って、建設を受注するであろう大手ゼネコンの社名が囁かれる事態となっており、市長選の見返り策が動き出した形。市政はいよいよ歪みの度を増している。年明けには、そうした業界の動きや、市長周辺との関わりについて詳しく報じる予定であり、これが「高島市政の追及は終わったのか?」という問いへの答えでもある。同時進行で進めているのが、東京出張の夜、市長が何をやってきたかの裏付け取材であることも付け加えておきたい。
 以上、ご意見メールへの回答。



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