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自民・飯盛利康福岡市議 政調費詐取の疑い

2014年11月20日 09:00

飯盛市議後援会申込書2.png 福岡市議会自民党市議団に所属する飯盛利康市議会議員(南区選出・当選2回)が、後援会の活動実態を隠し、大半の支出を政務調査費(平成25年度から「政務活動費」)でまかなっていたことがわかった。
 福岡市議会では、政務活動と後援会・政党活動などとの区分が難しいことから、政調費利用にあたっては、支出の「按分」を行って実態に合う算定をするよう求めている。しかし同市議は、同一事務所内で政務活動と活発な後援会活動を行っていながら「按分」を行っておらず、人件費などほとんどの事務所経費を政調費から支出していた。意図的な不正なら税金の詐取。飯盛氏本人の説明が求められる事態だ。

政調費事務所で活発な後援会活動
 下は市内南区にある飯盛市議の事務所。玄関のドアには「飯盛利康事務所」と「市政相談所」とある。ここで政務活動を行っているのは事実のようだが、実態は「後援会事務所」。市議の自宅近くに住む住民は、「飯盛さんの事務所はここだけ。自宅は団地のなかで、後援会の事務所が別にあるわけではない」と断言する。取材してみると、近隣住民が話しているように、飯盛市議の事実上の活動拠点は写真の事務所だけ。資金管理団体「飯盛利康後援会」の主たる事務所は自宅に置いているが、届け出上のことで、後援会住所地である団地内の一室は、あくまでも市議本人の住居として使われているのが実情だ。

飯盛利康事務所

 一方、飯盛市議が議長に提出した政務調査費(平成25年度から「政務活動費」)の支出を証明する書類によれば、人件費をはじめ事務所を維持するための支出の全てが「按分」されておらず、政調費によってまかなわれていることがわかる。下は、政調費支出の証明書類の一部だ。

政調費支出の証明書類の一部

 そして次。これは今年3月、飯盛市議の後援会が「バスハイク」参加者を募集した際の案内文(赤いアンダーラインはHUNTER編集部)。同市議の公式サイト上の記載である。後援会主催のバスハイク参加についての連絡先住所は、前掲写真にある「飯盛利康事務所」のもの。電話もFAXも同所のものだ。

「バスハイク」参加者を募集した際の案内文

 関係者に取材すると、これまで行われた後援会主催の行事は前述のバスハイクの他、「新春の集い」、「元気もり盛会 女性ボーリング大会!」、「市政報告会」などがあり、いずれも連絡先は「飯盛利康事務所」なのだという。同市議の公式サイトにある各種行事の連絡先も、確かに同所の電話番号。「飯盛利康事務所」が後援会活動の拠点であることは疑う余地がない。

 極め付けは下の「後援会加入申込書」。住所及び電話・FAXは政調費で運営されている「飯盛利康事務所」と一致している(赤いアンダーラインはHUNTER編集部)。

後援会加入申込書

 後援会加入申込書に記載された住所がある以上、有権者はそこを後援会事務所であると判断する。近隣住民の話は、間違ってはいない。事務所の運営費が政務調査費でまかなわれている「飯盛利康事務所」は、事実上、市議の資金管理団体「飯盛利康後援会」の事務所とみなすべきだろう。

「手引き」には按分を明記
 福岡市議会が平成25年3月に策定した「政務活動費の手引き」には、政務活動と政党活動、後援会活動との境界が明確ではない場合の『按分による支出の指針』として、“経費の計上にあたっては、実態に合った(政務活動に要した部分の時間割合や面積割合など、実績や実情を考慮した)按分による算定方法”を用いるとした上で、算定が困難な場合の支出を、経費総額の二分の一にすると定めている(下がその該当ページ)。制度が変わり、政務調査費が政務活動費となった平成25年以前の「手引き」でも、按分については同様の指針が示されていた。

手引き

 飯盛市議の場合、表向き「政務活動のためだけ」としている事務所が、じつは後援会の拠点。手引きに定めた指針を守っていないことは明らかだ。“実態に合った按分”をするなら、後援会が応分の支出をし、政調費からの支払いを最大で二分の一にすべきだろう。しかし、同市議のこれまでの政調費支出報告と後援会活動の実態を見る限り、意図的に後援会活動の収支を隠していた可能性が高い。政調費の詐取が疑われるのはこのためだ。

困惑する事務担当者
 18日、問題の「飯盛利康事務所」を訪ね、事務担当者に話を聞いた。以下その概要である。

 記者 飯盛市議の後援会事務所はこちらでしょうか。
 ―― はい、そうですが。

 記者 政務調査費のことでお尋ねしたい。ここが後援会事務所なら、政調費の支出報告に虚偽の疑いが出てくるが。
 ―― あ、ここは政務活動のための事務所です。

 記者 さっき、後援会事務所だと認めたばかりではないか。
 ―― 後援会事務所は別の場所で……。

 記者 別の場所とは飯盛さんの自宅のことではないのか。後援会活動のすべては、ここで取り仕切っているはずだ。飯盛さんのサイトにもハッキリそう書いてあるし、地域の人からもここが後援会事務所だと聞いている。
 ―― ……。

 記者 後援会の行事については、すべてこの事務所で連絡を受け、あなたが取りまとめすると聞いている。まちがいないか?
 ―― それはそうです。

 記者 政調費の支出を証明する書類がここにある。あなたの給与の領収書に間違いないか?
 ―― 間違いありませんが……。

 記者 後援会の仕事をしていれば、政調費は按分されていなければならない。虚偽報告ではないのか?
 ―― いや、虚偽ということでは……。

 このあと、飯盛市議本人に説明を求めるため連絡を頼んだが、出稿までに何の連絡も無かった。事務担当者のあわてよう、活動実態、残された支出証明――。政調費不正について言い逃れするのは難しいだろうが、この若い市議の政治資金処理には、重大な違法行為の疑いが浮上している。

(以下、次稿)



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