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危険ドラッグ事故と福岡市政の相関関係
検証・高島市政(上)

2014年10月20日 07:00

高島市長相関図サムネイル 今月9日、福岡市天神の交差点で車を暴走させ、停車中の車や対向車両の計10台に衝突、歩行者など12人に重軽傷を負わせたとして自動車部品販売会社経営の荒木祥平容疑者(37)が逮捕された。暴走の原因は危険ドラッグ。助手席にいた友人が所持していた危険ドラッグを、二人で吸っていた疑いが持たれている。
 事故が起きたのは今年の2月だったが、直後から危険ドラッグと福岡市政の関係を取り沙汰する声が……。たしかに、荒木容疑者と高島宗一郎市長には接点があり、周辺の人脈を調べていくと現在の福岡市政が持つ別の顔が見えてくる。今日と明日、HUNTER流市政検証を、2回に分けて報じる。

容疑者と福岡市長を結ぶ線―宝飾品販売会社の存在
 下は、危険ドラッグ事故と高島市政との関係を示す相関図だ。

高島市長相関図

 高島市長を巡る人脈には、大きく二つの流れがあるが、それぞれの主要な人物たちが一堂に会したイベントがあった。昨年11月に開かれた、市長の友人で今年3月まで「福岡市顧問」として絶大な権力を誇っていた人物の結婚披露宴である。

 福岡市内のホテルに300人を超える招待客を集めて開かれた披露宴には、高島市長をはじめ麻生渡前福岡県知事、井上貴博衆院議員(自民・福岡1区)、北九州のN県議など実力者がズラリ。市役所からは3名の副市長以下17名の幹部、県庁からも幹部職員ら6名が出席していた。市長とは疎遠と言われてきた福岡市議会の中からは3名の出席者。飯盛利康(自民)、福田衛(自民)、橋田和義(無所属)といった若手組で、市長にもっとも近いと言われてきた、いわゆる「お友達」である。

 このほか、豪邸の持ち主としてテレビで見かけることが多い宝飾品販売会社の社長や、福岡を代表する企業に成長した化粧品通販会社の社長らも出席しており、元市顧問や市長の華麗な人脈がうかがい知れる。

 このうち、高島市長を中心とした人脈でもっとも注目されてきたのが、宝飾品販売会社を軸とした流れである。じつは、逮捕された荒木容疑者の実兄が幹部として勤めているのが、その宝飾品販売会社。この会社の社長は、高島市長がKBCのアナウンサーだった頃からの深い付き合いだという。同社は、福岡市が力を入れるファッションイベント「福岡アジアコレクション(FACo) 」にも関与しており、市長と同社社長は公私にわたる付き合いを保っている。前述3人の福岡市議のうち2人についても、宝飾品販売会社社長や荒木容疑者の兄と付き合いがあることが確認されており、危険ドラッグ事故と市長、元市顧問、市長とお友達の市議らを結ぶラインが浮き彫りになる。

ざわつく市議会
 荒木容疑者が逮捕されてからというもの、福岡市議会がざわつき始めた。背景は、ある。
 数か月前のこと、ある会派の喫煙スペースで異臭騒ぎがあった。当時はまだ危険ドラッグではなく「脱法ハーブ」と呼ばれていたが、普通の煙草の臭いではないと感じた関係者が、脱法ハーブ吸引を疑って県警の捜査員に連絡。現実に、捜査員が臨場したのだという。この時は証拠が出なかったが、以降、関係者の間からは市政と脱法ハーブの関係を懸念する声が上がっていたのである。先月、HUNTERの記者が噂になった市議に直撃取材したが、この時は「事実無根」として完全否定されている。しかし、市政と危険ドラッグを結ぶラインが存在することは事実。麻生太郎副総理が「輝いている」と評した高島市長には、意外な人脈が存在する。

 さて、相関図のなかに見える市長を軸としたもう一つの流れだが、こちらは市長陣営の「カネ」に絡むもの。詳細は、明日の検証記事で報じる。



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