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迷走する福岡市 ― 終わらぬ市長の旅費精算

2014年9月29日 07:00

 改ざんの疑いが浮上している高島宗一郎福岡市長の旅行命令書が、完結しないまま宙に浮いた状況になっている。
 問題の旅行命令書は今年2月、市長が東京に出張した時のもの。旅費精算終了後、しかも年度をまたいだ7月になって正式日程の前日の上京を、私用から公用に変更して再精算。さらに9月に、再々精算する形で2度目の書き換えを行っていた。
 7月の命令書変更時に根拠となる「領収書」がなかったことが明らかとなっていたが、領収書提出後1カ月を過ぎた現在も、追給分の旅費が市長に支払われていないことが分かった。
(写真は福岡市役所)

迷走の跡
 下が旅行命令書の変遷。2月28日に精算し、いったんは完結。その後7月10日に、命令書の記載内容を変更し、当初「私用」とされていた2月24日の上京を「公用」に、再精算額は82,470円から145,140円へと62,670円増やしている。次いで9月2日から3日にかけて精算金額を再び修正。再々精算では旅費が145,140円から134,040円に、追給額は62,570円から51,570円へと書き換えられていた。

偽造書類2
矢印
偽造書類3


矢印
改ざん-5

 命令書の再々修正は、8月23日に航空券代の「領収書」が市長側から提出されたことを受けてのこと。本来なら、この段階で追給分の51,570円が市長に支払われ、前掲写真にある命令書の精算欄に、新たな日付が記され市長のハンコが捺された紙片が貼り付けられる。つまり、3番目の旅行命令書も、未完のままということなのだ。

精算できない理由は?
 先週26日、問題の東京出張を所管した総務企画局企画調整部企画課に確認したところ、最終的な精算事務は終わっていないという。理由を尋ねても「財政局側と協議中」で、作業が進まないのは「企画課の事務が遅れているせい」と繰り返すばかりで要領を得ない。再々精算に向けてのすべての書類は揃っており、これ以上事務的な手続きがあるとは思えない。追給ができないという異例の事態を招いているのは、別に理由があるからと見るのが普通だろう。

 年度をまたいだ上に出納閉鎖期間である5月末も過ぎたあと。再々精算など簡単にできるものではないが、かといってこのまま放置するわけにもいかない。10月には市議会で決算特別委員会が開かれる。審議されるのは25年度の決算。問題の東京出張は2月で、その旅行命令書が間違っていたというのだから、9月議会に続いて説明を求められるのは必至。旅行命令書が未完であることを、議会が見逃すはずがない。それでも再々精算ができない理由を、市側は隠しているということだ。

 こうした異常事態に、市内部からは次のような声も上がっている。

 市長は、追給分の旅費を貰うつもりなど、はなからないのだろう。旅行命令書が書き換えられて、私用が公用に変更されるだけでいいと思っていたのではないだろうか。“事務的ミス”ですべてを終わらせれば、タクシーチケットの私的流用はなかったことになる。経過を見る限り、はじめから狙いはそれだったとしか思えない。そもそも、職員の出張で、こんなバカげた事態は起こり得ない。年度が変わって精算をし直すなど絶対に許されないし、領収書なしで精算欄に押印するなどという非常識は通用しない。市長をかばったあげく、公文書偽造で職員が訴えられでもしたら、市長はどう責任をとるつもりなのか。いい加減にしろと言いたい。(40代男性職員)



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