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高島福岡市長 不可解な資金の動き

2014年9月26日 07:00

市長の資産等報告書 東京への公費出張にかこつけ、片道分の旅費を自己負担する形で首都圏でのプライベートタイムを満喫している高島宗一郎福岡市長。月に数回、ファーストクラスしか利用しない航空券代やホテル代にかかる出費はばかにならないはずだ。
 原資は何か――確認するため市長の資産等報告書及び所得報告書を閲覧し、資金の動きを整理してみたところ、不可解な実態が浮かび上がってきた。
(写真は市長の資産等報告書)

借入金の動きに注目
 下は高島市長が提出した報告書に従ってまとめた、就任以来の収入、貸付金、借入金の動き。年月日は、報告書の作成日である。

資産1

高島マンション 収入の柱は給与とボーナス。職員不祥事に伴う給与カットなどの影響で減少傾向だが、毎年1700~2,000万円を得ている。マンション2室を保有し、賃貸していることから不動産所得があるが、物件取得時の借入金返済と家賃収入がうまく回転しておらず、毎期マイナスとなっている。

 貸付金300万円は、市長の資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」(旧「高島宗一郎後援会」)へのもので、平成22年11月の市長選以来、貸付けたままだ。

 問題は「借入金」。市長は、西区の自宅と中央区にあるマンション(右の写真)の2室を購入する際、金融機関から借り入れを起こしており、3件で計約8,000万円近くの債務があると見られている。その借入金、平成24年5月時点で約7,463万円だったものが、翌年4月に約8,237万円に増え、今年4月には約7,400万円に減っている。24年から25年にかけて借金が770万円あまり増えて、それから1年の間に834万円を返済した計算だ。

 前述した通り、市長の収入は給与のみ。不動産所得はマイナスでしかない。中央区平尾に所有するマンション2戸を処分したわけでもなく、他に収入はない。もちろん、株式や国債の保有もなく、売却益があるはずもない。給与所得以外に返済原資を求めるとすれば、報告書に記載義務のない郵便貯金かタンス預金ということになるが、それなら借入を起こす必要がない。

 東京出張の度に、交通費や宿泊費、さらには飲食代を支払うからには、それなりの金額が飛ぶのが普通。給与だけで賄えるとは思えない。政治活動として資金管理団体からの支出に頼っている可能性もあるが、800万円もの資金がどこから手当てされたのか、判然としない状況だ。HUNTER取材陣は現在、市長をめぐるカネの動きを追っている。



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