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福岡市長のハイヤー利用 血税浪費の実態
議長、副市長のハイヤー利用も判明

2014年9月16日 08:55

福岡会での高島市長 高島宗一郎福岡市長の出張に関する疑惑や問題点を報じてきたが、読者からのメールで多かったのが「ハイヤー」利用状況の詳細を知りたいという要望。役所の無駄遣いに厳しい視線が注がれるなか、先頭に立って経費削減に努めなければなかないはずの市長が、民間では考えられないような浪費をしているのだから無理もない。
 これまでの配信記事で紹介した事例はほんの一部だったため、高島氏が市長に就任した平成22年以来、どれだけハイヤーを利用してきたのか改めて整理した。見えてきたのは、虚栄心を満たすため市民にツケを回す愚かな市政トップの姿だ。
(写真は、芸能人との飲み会に参加して満面の笑顔を見せる高島市長)

ハイヤー利用の実態
 福岡市への情報公開請求で入手したハイヤーの「乗車明細書」を基に、利用状況を一覧表にまとめた。左から、ハイヤー利用日、走行経路、1日の利用料金である。

ハイヤー.jpg

 まさに“論より証拠”。羽田―都内間の移動はさておき、走行経路に記載されているのは永田町や霞が関、平河町といった地名ばかり。国会や中央官庁があり、各種の全国大会・会議が開かれる半径1~3キロほどの地域に集中する。紀尾井町、虎の門が頻出するのは、市長が宿泊しているホテルニューオータニ(紀尾井町)とホテルオークラ(虎の門)が起点となっていることを示している。

 羽田―都内間の移動を除くと、いずれの走行区間も地下鉄利用で一駅か二駅。その場合の電車賃は、3年半分すべて足しても数万円単位。タクシー利用でも、総額で数十万円程度にしかならない。徒歩で行ける範囲を、わざわざ黒塗り高級車で移動したケースも目立つ。ハイヤーなら1日で最低1万円台からひどい時は約8万円。時間制のハイヤーを使えば使うほど、料金はかさむ。「待ち時間」に、市民の血税が次々と消える状況なのだ。

ハイヤー合計金額 右はハイヤー料金の年ごとの合計(平成22年は12月のみ)だが、毎年約70万円~100万円もの血税が、ハイヤー代に消えている。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに計算すると、福岡県の平均年収は430万円程度になるという。一般的な県民の年収の約4分の1を、ハイヤー代に費消している形。市長には、税金が原資であるという自覚も市民感覚もない。

 先週開かれた福岡市議会で、非常識なハイヤー利用の実態を追及された市長は、反省するどころか「これからも続けます」と開き直った。もし市長選に立候補するのなら、公約にハイヤー利用の継続とその理由を記すべきだろう。

議長、副市長のハイヤー利用判明 
 ところで、東京でのハイヤー利用については、別の問題も浮上している。市長に倣ったのか、前・現の市議会議長と副市長も東京出張でハイヤーを利用していたのである。下は乗車明細書の一部だが、備考欄に市側が赤い字で書き入れた「市長以外」とは、議長、副市長を指すのだという。これでは「同じ穴のムジナ」。出張問題が注目を集める中、まともな議会運営ができているのか、怪しくなってきた。なお、議長・副市長及び市長ののハイヤー利用については、別稿で「市役所の嘘」を追及する。

議長 副市長2.jpg 議長 副市長.jpg



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