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福岡市長選挙で問われる「私物化」と「危険な交友関係」

2014年7月10日 09:15

福岡市役所 福岡市長選挙の告示が11月2日と決まった。投開票は16日。日程は決まったものの、名乗りを上げる立候補予定者がいないという異例の事態だ。再選出馬が確実とみられる現職の高島宗一郎市長も、正式表明は行っておらず、市長選の構図は定まっていない。
 通常なら、前回選挙で高島氏を推した自民党が再選支持の方針を打ち出してもおかしくない時期なのだが、同党市議団は高島一本化でまとまるには至っていない。財界の反応も複雑だ。高島氏の後ろ盾は麻生太郎副総理。顔を立てているのか、表立っての批判はないものの、裏に回れば「あの市長ではダメ」という声ばかり。原因は、私物化が指摘される高島市政の現状、そして市長自身の危険な交友関係にある。(写真は福岡市役所)

家宅捜索
 今年春、旅行関連の業務を行っているある若手実業家の会社などが福岡県警の家宅捜索を受けた。容疑は「詐欺」。出資金名目でカネを預かり、じつは別のことに流用していたのではないかという疑いが浮上。トラブルが表面化してからも言を左右にして返金しなかったことから、被害者が県警に告訴していた。同時期に提訴された民事訴訟では、若手実業家が訴えの事実をすべて認める「認諾」で裁判が終わっており、事実上罪を認めた形となっているという。

 じつは、詐欺の疑いが持たれているこの若手実業家、高島市長と無縁ではない。今年3月まで市の顧問を務めていた市長の友人と昵懇の間柄で、昨年秋に行われた市顧問(当時)の結婚披露宴にも、市長や麻生渡前福岡県知事にまじって出席していた。若手実業家が経営する会社の登記簿謄本から、かつて前顧問が取締役に就任していたことが分かっている。

 市長の周辺には、前顧問やこの実業家をはじめ、若い世代の取り巻きばかりが目立つ。北九州選出の衆議院議員の事務所にいたという市長の私設秘書、地場化粧品通信販売大手の社長、宝飾品販売会社の社長……。特徴的なのは、それぞれの人物に「よからぬ噂」(市職員の話)がつきまとっていることだ。利権漁り、暴力団、脱法ハーブ、詐欺 ―― 調べていくとデタラメな噂とは言えないものもある。若手実業家への家宅捜索は、そうした噂が顕在化した例。歴代市長時代にはなかった胡散臭さが、高島市政には確かにある。

お友だち市政
 お友だちばかりを集めての市政の私物化 ―― これが高島市政の現状だ。あろうことか、私設秘書が市の人事にまで口を出し、友人で会社社長の顧問(当時)が、同業者を選ぶ業者選定に関与したり、市の広報戦略を牛耳るというお粗末さ。就任以来3年半、市長が大事にしてきたのは、職員でもなければ市議会でもない。もちろん、市民の暮らしことなど眼中にない。若手の取り巻きをはべらせ、思いつきの施策を次から次へと打ち出してきただけなのだ。仮想行政区「カワイイ区」などは、その最たる例。年間1,000万円を投じてきたこの事業、3年続けて前市顧問と親密な企業が業務を受託しているが、市政発展の役には立っていない。お友だち市政が、福岡市を食い物にしていると言っても過言ではあるまい。こうした現状を、市議会をはじめ福岡の政財界は十分に認識しているという。だから「あの市長はダメ」、なのである。

北九州市長選
 調子に乗った高島市長周辺は、北九州市政も手に入れようと画策していた。前述したように、市長の私設秘書は衆院議員の元秘書。その衆院議員の兄弟で、北九州市議会の有力議員でもある人物の息子を、北九州市長選に担ぎ出そうとしているのだという。有力議員の息子は、高島市長の私設秘書とは仲良し。高島初当選の時の選挙にも顔を出していたとされる。さすがにこの計画は、北九州自民市議団の反発で頓挫しそうだが、「政令市私物化」の裏に麻生太郎副総理の影がチラついていることは確かだ。

私物化は許されない
 市政は誰のためにあるのか――真剣に考えれば、高島再選という選択肢はあり得ない。自民党福岡市議団の中で高島擁護に走ってきたのは、利権にしがみつく長老議員たち。それでも同党市議団が「高島推薦」でまとまらないのは、市政の私物化や危うい人脈を危険視するまともな議員が残っている証拠だ。反高島議員への切り崩しが激しさを増しているというが、市長周辺はやるべきことを間違えている。市民や議会を無視したお友だち市政など、あってはならないのだ。

 再選に向けて水面下で事を進める高島陣営。市議会議員の切り崩しや報道つぶしばかりに力を入れているようだが、無駄だということを明言しておきたい。高島氏が市長として相応しいかどうか、いずれハッキリと分かることになる。



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