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福岡市 違反行為追認で補助金交付規定を変更
高島市政の歪み露呈

2014年5月 2日 09:10

 市長のごり押しが通った保育園移転事業をめぐり、福岡市の定めた補助金交付規定が、違反行為を追認する内容に変えられていたことが分かった。 
 問題の規定は「保育所建設費補助金交付要綱」。従前の規定によれば、建設費補助は1法人に1カ所のみ。しかし、福岡市は今年1月、この「補助制限」を撤廃し、同一法人の補助申請が複数施設でも可能となるように規定を変えていた。
福岡市役所 改正の狙いが、高島宗一郎市長が移転を強行した市内中央区の認可保育所「中央保育園」(運営:社会福祉法人福岡市保育協会)への施設整備補助を正当化するためだったことは明らか。移転に伴い整備される施設が複数であることが要綱違反とみなされ議会でも追及を受けたため、要綱そのものを実態に合わせて改正したとみられる。
 補助金交付を決めた後の改正は、どう見ても辻褄合わせ。ごり押し事業の裏で、不適切な補助金交付が行われていたことを証明する形となった。(写真は福岡市役所)

消された補助制限規定
 下が、福岡市の「保育所建設費補助金交付要綱」。左が改正前、右が今年1月に改正された要綱の、それぞれ1ページ目である。条文の記述は変わっているが、前後の条文を整理したり、表現を簡素化しただけで、内容自体に大幅な変更は加えられていない。最大の変更点は、改正前の「第4条」がすっぽり消されたことだ。

改正前  改正後

 改正前、(補助の制限)と記された第4条は、次のように定められていた。

社会福祉法人は、一時に2カ所以上の保育所について補助金の交付申請をすることができない

 しかし、改正された要綱には、どこにも(補助制限)の規定がなく、1法人が何カ所分でも補助申請を行うことができる内容となっている。

もともとが「要綱違反」
 一方、中央保育園の運営母体「社会福祉法人福岡市保育協会」は、昨年4月、約5億3,000万円にのぼる施設整備費の補助を受けるため、福岡市に、施設整備計画のおおまかな内容を示した「社会福祉施設整備調書」や「建設設計図」、「事業資金計画書」といった必要書類を提出。外部の有識者らを中心に構成される「福岡市社会福祉施設整備費等補助対象施設選定委員会」(以下「選定委」が内容を審議し、同法人への補助金交付を決めていた。

 法人側が提出した「社会福祉施設整備調書」によれば、補助対象施設の名称は「中央保育園」と「第2中央保育園」。明らかに「2カ所」となっており、この段階で要綱が示す(補助の制限)の規定違反。市議会でも疑問が呈される事態となっていた。

設置許可は「3園」に 
 中央保育園の移転に伴い、受け入れ園児の定数は150人から300人になった。そのため新たに開設されるのは「3園」。園舎は2棟だが、市が出した児童福祉施設設置認可によれば、「第1中央保育園」、「第2中央保育園」、「第3中央夜間保育園」となっている(下が「第2中央保育園」と「第3中央夜間保育園」の設置許可書)。約5億3,000万円の施設整備補助金が、1カ所どころか「3か所」の施設に利用された形だ。補助金申請は要綱が改正される前の昨年4月。要綱の規定を無視して補助金交付が決められたことは明白で、市や選定委の補助金審査が形だけのものだったことを示している。

設置許可1  設置許可3

 問題の補助金交付をめぐっては昨年7月、中央保育園側が提出した施設整備補助金の申請過程で、市の所管課が間違った書類を作成。市側はもちろん、選定委もその文書の誤りに気付かぬまま、補助金交付にゴーサインを出していたことが判明し、組織ぐるみで同園側への公費投入を決めた裏事情が明るみになっていた。

 規定違反にお手盛り審査――市長のごり押しを進めるため、福岡市の行政運営が際限なく歪みを増している。



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