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福岡市 保育園移転でまたしても隠ぺい

2014年3月13日 09:25

福岡市役所 隠ぺいとごまかしが常態化した福岡市だが、ついに堕ちるところまで堕ちたというしかない。
 市は、高島宗一郎市長が移転を強行した市内中央区の認可保育所「中央保育園」(運営:社会福祉法人福岡市保育協会)に関する情報公開請求に対し、「関係者への確認」を理由に、開示決定期限を20日間も延長。12日までに、請求したHUNTERの記者にその旨を通知してきた。
 記者が請求したのは、4月1日に開園予定の同園の移転計画関連で、昨年夏以降に市及び市消防局が作成もしくは取得した文書。時期的に見て、該当期間に提出された文書には、開園までの流れや保育士の配置、さらには災害時避難の計画書などが含まれているとみられる。
 実態を隠したい市が、事実上の開示拒否に走った形だ。(写真は福岡市役所)

保育園情報―事実上の公開拒否
 HUNTERは先月28日、福岡市及び市消防局に対し、次の2点の情報公開請求を行った。

『平成25年8月以降に市が作成もしくは取得した、中央保育園(運営:社会福祉法人福岡市保育協会)の移転に関する公文書のすべて』⇒所管は子ども未来局保育課

『中央保育園(運営:社会福祉法人福岡市保育協会)の新園舎新築工事における仮使用に関する協議の記録および市消防局に提出された園児の避難計画に関する文書、データ』⇒所管は消防局指導課

 これに対し、市と消防局は、まったく同じ理由で開示決定期限を20日間延長するとして、12日までに請求した記者に「公文書公開決定等の期間延長通知書」を郵送してきた。新たな開示決定期限の期日は「3月31日」。中央保育園が開園する前日だ。現在の状況を何としても隠し通そうという、市側の思惑は歴然としている。この決定期限延長は、事実上の隠ぺい、「公開拒否」と言っても過言ではない。
(下が延長通知書。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

公文書公開決定等の期間延長通知書(1) 公文書公開決定等の期間延長通知書(2)

HUNTERの反論
 請求した文書は、すでに園舎新築工事が始まってからのもの。従って、開示決定までに時間を要するような「大量」な数ではなく、延長理由には当てはまらない。そこで考え出したのが「関係者への確認」。今回のケースで市以外の関係者といえば、同園の運営母体である「社会福祉法人福岡市保育協会」と工事関係業者だけである。

 中央保育園の新築工事については、すでに図面や工期といった情報が開示されており、工事業者が隠さねばならない情報など皆無のはず。すると残るのは園側、つまり「社会福祉法人福岡市保育協会」ということになる。だが、これまで報じてきた通り、中央保育園側は取材に対し、何かを隠すという状況にはない。新年度の入園児数をはじめ、新たな避難計画の提出、保育士の配置状況など、重要な事案についてはきちんと取材に答えているのだ。隠し立てした瞬間、保護者や市民の信頼を失うことを、新任の園長や保育士が分かっているからに他ならない。開示決定期限の延長は、失政を隠し、なんとか4月の開園時期を迎えたいという市側の都合によるもの。さらに言えば、春までの待機児童ゼロを公約した高島宗一郎という、歴代最低市長のメンツを保つためだと言えるだろう。

狂った市政
 工事が遅れたのは、市が着工に待ったをかけたためだ。原因は、在園児保護者や市民に対する市側の説明不足に加え、不透明な移転計画の過程が判明したこと。社会問題化したため、着工延期を余儀なくされたという経緯がある。実質2ヶ月遅れで工事を開始したものの、結局、予定通りに開園できるのは前面道路に面した新「中央保育園」のみ。残る 「第2中央保育園」の開園は6月にずれ込むことが確実となっていた。

 請求した文書には、新たに整備される新「中央保育園」と「第2中央保育園」の正確な開園時期や、工事の現状、保育士の配置計画といった重要な情報が含まれている。13億円もの税金を使った事業である以上、当然、市民に知らせるべき内容だ。とりわけ、子どもの命に直結する「災害時避難」の計画については、隠すことなど許されまい。
しかし、市はこの期に及んでも隠ぺい姿勢を崩そうとしない。

 「オープンすればこっちのもの」――それが高島市長の本音だろう。子どもの安全に関わる重要な情報を市民に知らせまいとする狂った市政を、断じて許してはならない。



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