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増加する高速道路上の事故 遭遇した時は?

2014年2月17日 07:30

 「エッ?」――どう見ても止まっている。先週末、九州自動車道上り線、大宰府インター手前6キロ付近の追い越し車線を福岡市方面に向かっていたHUNTERの記者は、一瞬、目を疑った。
 前方の車が見る間に大きくなる。気付いた同乗の記者がカメラを向けたが、その時は1台の乗用車が中央分離帯にぶつかった直後であることが視認できる状況。高速道路上の事故だった(右の写真)。
 スピードを落とし、左側斜線に避けたが、事故車の運転席にはご夫人。同乗者はいない。通行量はさほどでもないが、後続のクルマがぶつかる可能性があり、危険だ。なんとかしなきゃと思ったが……。

増加する高速道路上の事故
 高速道路上で事故を起こし、車中に残ったり本線上に出て後続車に衝突されるケースが後を絶たない。政府広報によれば、交通事故件数が減少傾向にある一方、高速道路での死亡事故は増加しており、そのうち4件に1件が、故障や事故で停車中の車や人に後続車が衝突したものだという。

 昨年10月には、スケバンキャラで人気を博したお笑いタレント、桜塚やっくん(本名・斎藤恭央)氏が、営業先の熊本県に向かう途中、山口県美祢市の中国自動車道下り線で中央分離帯に衝突。運転していた桜塚さんが、車を降りた直後に、走ってきた後続車両にはねられ死亡するという惨事が記憶に新しい。

事故・故障 信号送り安全な場所へ
 政府や警察、東日本、中日本、西日本の各高速道路株式会社(NEXCO)などは、高速道路上で故障や事故に見舞われたときは、車内や車の前後での待機は後続車から追突される恐れがあるとして、運転者と同乗者に、通行車両に注意しながら車を降り、ガードレールの外など安全な場所にすみやかに避難するよう呼びかけている。(下は福岡県警高速道路交通警察隊のHPより)

道路上にとどまるのは危険

事故車 避難する前にやるべきこともある。まずハザードランプをつけ、後続車に合図。その後、発炎筒や停止表示板で更に合図を送り、事故・故障発生の合図を必ず行うことが求められる。故障の場合、緩やかに減速し、路肩や非常駐車帯に停車させることも必要だ。次に、ガードレールの外など安全な場所への避難となる。

 しかし、事故の場合、ハザードランプや発炎筒、停止表示板といった後続車への信号を発信することが不可能となる可能性が高い。事故で動顚すれば、なおさらだろう。HUNTERが遭遇した九州道上り線での自損事故はまさにその典型。中央分離帯に衝突した乗用車は、事故直後とみえてハザードランプもつけていなかった。しかも、運転者は車内に残ったままだ。記者は110番通報し、事故現場の模様と場所を伝えたが……。

事故に遭遇したら110番
 それでは、HUNTERの記者のように、事故直後の現場に遭遇した場合はどうすればよいか。今回のようなケースで、110番通報の他にできることはなかったのか――福岡県警高速道路交通警察隊に話を聞いたところ、「高速道路上で車を止めることは絶対に避けて下さい。さらなる事故につながることになります。事故に遭遇されたら、まず110番通報などで現状を知らせてもらうことが一番。私たちが速やかに対処します」とのこと。やはり110番通報しかやれることはないという。もちろん、運転中の携帯電話の使用は禁止。ハンズフリー製品を利用するか、同乗者に連絡を頼むしかない。

 幸い、事故を起こした車が後続車に衝突されることもなく、運転していたご夫人に、大きなケガなどはなかったという。ほっとした。なにはともあれ、安全運転を心がけたい。



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