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核ゴミ疑惑の南大隅町 居直り町長に支持者からも厳しい批判

2013年5月20日 09:20

鹿児島県南大隅町・森田俊彦町長プレート 核のゴミの最終処分場誘致にからむ数々の嘘や、東京電力関係者との親密な関係が明らかとなった鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長が、居座る姿勢を鮮明にした。
 歪んだ町政を正すべきはずの町議会も、議長が森田氏や原子力ムラの協力者とあって、真相究明の機会をあっさり放棄。本来の機能を果たせていない。
 一部権力者たちの常識外れの暴走に、町民の怒りは高まるばかり。町政刷新への動きが出始めた同町で、住民の声を拾った。

議会も機能不全
 今月1日、南大隅町議会で、森田町長にまつわる一連の疑惑を解明するための百条委員会設置動議が出された。
 森田氏が、町長選(4月14日投・開票)直前の3月議会で、町長就任後の東電訪問や闇の代理人への委任状の存在を否定し、虚偽答弁を行っていたことを考えれば、百条委設置は当然である。常識的に見れば、動議がすんなり通るはずだが、採決の結果は6対5で「否決」。真相究明はもちろん、町民を騙した町長の責任を問うという議会本来の役割を放棄した形となった。

 無理もない。肝心の町議会議長・大村明雄氏が、森田町長同様、東電の闇の代理人と親しく付き合い、処分場誘致の委任状を出していたのだ。森田・大村に組する議員が複数おり、利権集団の数が勝った格好。二元代表制の下、町と議会がこの程度なのだからタチが悪い。

居直り宣言
 数日後、町のホームページに森田町長の「一連の報道(核関連施設誘致)についての御報告」という一文が掲載された。少し長いが、紹介しておきたい。

 このたび一連のテレビ報道等につきまして、町民皆様へ大変ご迷惑をお掛けし、またご心配いただきましたことに対し、衷心よりお詫び申し上げます。
 この件に関しましては、平成19年当時、本町が企業誘致・地域活性化策として前町長時代、議会議員の賛同の下、誘致運動が進められ、当時商工会長でありました私も推進要請を受け、誘致活動推進に動いた事は事実であります。
 その後、町長に就任させていただき町政座談会におきまして、町民の皆様より誘致すべきではないとのご意見が多かったため、私は商工会内部の推進組織に属 していた時の考え方と、町長就任後広く町民皆様の意見を聞く立場において、町民の総意に大きな温度差を感じた次第であり、町長として誘致すべきではないと考え方の軌道修正をいたしました
 そのような経緯の下、あの3.11の東日本大震災による原発事故の悲惨さを目の当りにし絶対に作るべきでないと政治判断、誘致は絶対にすべきではない旨決断いたしました。
 過日、報道のありました委任状につきまして、私は軽率であったことを猛省し、本件について町民皆様へ深くお詫び申し上げます。
 なお委任状については、5月1日相手方より原本が返却され、この件につきましては相互理解の上、全ての委任事項破棄の手続きも完了いたしました事をご報告申し上げます。
 今後においては「核関連施設 立地拒否条例」の制定に基づき、私の任期中このような施設の誘致は改めて断固拒否の宣言をし、その政治姿勢を今後も厳しく貫いて参ります。
 2期目の大きな政策課題であります「観光元年スタート」に、町民皆様からの大きな期待と、鹿児島県全体の経済浮揚が、佐多岬開発にかかっており、本町が 過疎化の波に埋没しないよう職員と共に新しい知恵を出し合い、これまで頂きました叱咤・叱責を真摯に受け止め、全身全霊で引き続き町民皆様に十分ご理解い ただける政治姿勢で尽力していく覚悟で御座います。
 今回報道の件、一連の事案につきましてご迷惑をお掛けいたしましたことに対し、わたくし南大隅町長 森田俊彦 は、改めまして町民皆様へお詫び申し上げ、書面にて御報告に代えさせていただきたいと存じます。

町 民 各 位

平成25年5月

南大隅町長 森 田 俊 彦

 よく読めば、「嘘をついて町民を騙した」という最大の問題について、この人は何の謝罪もしていない。町民に対して《迷惑》と《心配》をかけただけだと一方的に決め付け、騙したことには何の言及もしていないのだ。
 さらに、《町長として誘致すべきではないと考え方の軌道修正をいたしました》と述べているが、つい最近まで東電の闇の代理人と親しく付き合っていたこととの整合性もない。
 つまりはこの嘘つき町長、何の反省もなく、居直ることを宣言しただけのことなのだ。

町長支持者からも怒りの声
 こうした事態に町民からは怒りの声が上がる。

 テレビのニュースを見てから、子供達が「モリタ町長」と呼ばずに「モリタ」と呼び捨てにしています。ウソが発覚したときのあの状況が眼に焼きついているのでしょう。
 この町の町長として、とても尊敬に値する存在でなくなったということは間違いありません。とても残念なことです。
 嘘をついたということは、子供の教育上も決して良いことではありませんし、道義的にも町長のイスに居座り続けることが許されるとは思えません。町のトップであればなおさらのことです。潔く町長を辞任すべきだと思います(40代主婦)。
 噂には聴いていましたが、ここまで酷い状況とは夢にも思いませんでした。
 町民を裏切った事は、もはや弁解無用。委任状は返してもらったと公言しているようですが、返してもらえればそれで済むと言う問題ではないと思います。これではただの居直りです。
 問題は私たち町民に対して、裏で放射能のゴミをこの町に持って来ようとしていたことを今まで隠していたこと。そして、郷土を売り渡そうとしていたこと。そして何よりも問題なのは、嘘をつき通して選挙に通ったことです。町のリーダーとしては最低ですし、失格です。
 私は、過去2回の町長選挙で『森田俊彦』と書いたことをとても恥ずかしく思っていますし、後悔もしています。県外に居る子どもたちからも、「これでよいのか」という電話がありました(60代男性・農業)。
 私たち南大隅町民は日本中に町の恥をさらけ出してしまいました。森田町長のウソがばれたときのあの顔が日本中に映し出されたかと思うと残念でならなかった。同時に、我々を騙してきた町長に対して怒りがこみ上げてきました。
 誰かが立ち上がれば、是非とも私はそれに参加してリコール運動でもデモでも、何でもやりたいと考えています。
 今は何食わぬ顔をして町長としての挨拶などしているようですが、私は決して(森田氏を)許しません。子どもたちや孫たちのためにも、森田町長や町長を担ぎ出した周囲の連中をトコトン懲らしめてやりたいです。  町長や、取り巻きだけが私腹を肥やすような今の町政では決して良い町にはなりません。今回の報道は町を変えるよいチャンスではないでしょうか(60代女性)。
 最初はHUNTERの記事はでっち上げだという町長の事務所の人たちの話を信じていました。HUNTERは金をもらって記事を書いたと聞きましたから。それから新聞や週刊誌の記事が出て、『おかしいな』と思いながらも日ごろの付き合いもあり、森田さんに投票しました。テレビのニュースを見て、『ああ、報道は全て事実だった。町長に二重に騙された』と気付きました。申し訳ないです。恥ずかしい。森田さんには早く辞めてと言いたい(50代主婦)。

 こうした声を町内の至るところで聞ける、というのが南大隅町の現状だ。町政刷新を望む声は、日に日に高まっているのである。



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