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南大隅町長 今度は虚偽答弁

2013年4月18日 09:30

森田俊彦町長 今月14日の町長選挙で2期目の当選を果たした鹿児島県肝属郡南大隅町の森田俊彦町長(53)が、選挙直前の町議会で虚偽答弁を行っていた疑いが浮上した。
 HUNTERの報道で、核処分場誘致にからんで暗躍する人物との関係を暴かれ窮地に立たされた町政トップが、なりふり構わぬ嘘を連発して保身に走った形。町の有力組織を固めて選挙には勝ったものの、先行きに暗雲が垂れ込めはじめた。

飲食接待
 虚偽答弁は、今年3月の南大隅町議会でのこと。町議会関係者によれば、高レベル放射性廃棄物の最終処分地誘致を働きかけていた会社社長との親密な関係などについて追及された森田氏は、会社社長との付き合いやモーターボートを譲り受けたことなどを認めながら、町長就任後の飲食接待や東京電力訪問といった核心部分の疑惑を完全否定。この問題に関するHUNTERの報道を、町長選の対立候補陣営が仕組んだかのような発言に終始し、自身への疑惑を巧妙にはぐらかしていた。

森田俊彦町長 森田氏は、今年2月15日のHUNTERの取材に対して、いったんはモーターボート授受を含む会社社長との関係を真っ向から否定。同月26日の再取材で証拠書類を示された同氏は、社長との関係も含めそれまでの主張がすべて嘘だったことを認めていた。
(写真は、嘘を認めうなだれる森田氏)

 議会答弁の中で、特に悪質な虚偽と見られるのは、町長就任後の会社社長からの接待を否定したことと、東電訪問がなかったかのように装った点だ。 
 町長就任後の平成21年、森田氏の初当選を支えた南大隅町内の3人の仲間が、問題の会社社長に連れられ上京。初日に福島県の原発を視察し、いったん東京に戻って赤坂プリンスホテルに1泊した後、翌日には青森県の六ヶ所村を視察していた。
 この間、会社社長を含む4人は、宿泊した赤坂プリンスで森田氏と合流。夕食をともにした後、六本木のクラブに繰り出していた。支払いは全て会社社長。ゴールドカードを使っての支払いだったことをそのうちの1人が目撃している。現職町長が接待を受けた証しである。

東電訪問
 議会答弁で森田氏は、東電訪問についてもごまかしを行っていた。質問に立った町議から、“町長就任後”を前提とする東電訪問の事実について尋ねられた森田氏は、「商工会長の時に行った」と返し、町長就任後の東電訪問を事実上否定する姿勢を見せていた。しかし、町長選終了後の15日になって、地元紙の取材に対し、問題の会社社長と見られる人物に、平成21年の町長初当選の後に面会し、「昨年春に東電幹部と会い、『(高レベル放射性廃棄物最終処分場は)南大隅町には受け入れられない』と伝えた」ことを話しており、地元紙は16日朝刊でこの事実を報じている。

 記事にある「昨年春」が平成20年のことなら、森田氏は商工会長。町を代表して誘致断念を伝える立場にはない。常識的に考えると「平成24年の春」ということになるが、森田氏が町長就任後に東電を訪問したことを複数の関係者が証言しており、議会答弁は“虚偽”と見られてもおかしくない格好だ。

念書
 会社社長への“念書”の件でも嘘の答弁をした可能性が高い。森田氏は商工会長時代、問題の会社社長に対し、「放射性廃棄物の処分場に関する件のすべてをお任せする」といった内容の文書を、前町長、議長、漁協の組合長らとそろって渡していたとされ、前町長や町関係者がこれを認める証言を行っている。
 3月議会では念書の存在も否定しており、現物がないのをいいことに、都合の悪い話だけを片っ端から闇に葬った形だ。

選挙目当て
 森田氏の頭の中には、目前に迫った町長選のことしかなかったのだろう。議会では、虚偽答弁を重ねたあげく、自身への疑惑報道を対立候補が仕組んだかのような発言を連発し、逆に相手陣営への批判が出るように仕向けていた。
 議会答弁の中で森田氏は、HUNTERの報道を対立候補陣営が頼んだものと断定したとされるが、残念ながら落選した対立候補陣営に初めて接触したのは、2月15日の森田氏への初取材後。取材過程は全て記録に残っており、森田氏がどうあがいても嘘は嘘でしかない。
 “嘘つきは泥棒の始まり”ということわざがある。森田氏に、人の上に立つ資格があるとは思えないが・・・・・。



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