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トホホな永田町 ― 議員秘書のひとりごと(3) ―

2018年5月 2日 08:15

000000001525215934898.jpg 様々な人がやってくる永田町の議員会館。約束なしに陳情に来る人もいれば、まるで「何でも相談室」にくるような感覚で相談事を持ってくる人も多いという。時には、とんでもない荷物が届くことも……。
 来客をさばくのは秘書の仕事だ。どんな用件であっても笑顔で対応するのがプロだが、さすがにこれは酷いというケースを、現役の秘書たちに話してもらった。『議員秘書のひとりごと』第3回。

◆有名占い師の弟が……
 かなり前のことですが、ヤクザのような人がやって来たことがあります。「議員の秘書がある会社から9,800万円借りたが、返済せずにずらかった。国会議員の秘書だから信用して貸した。国会議員には秘書を雇用した責任があるから、代わりに返済しろ」という内容だ。(客観的に考えれば議員秘書に無担保でお金を貸す方がどうかしていると思うのだが……)

 某会社からお金を借りたという秘書は、自分で衆議院事務局に解職届けを提出して蒸発してしまったので議員は何のことか全く理解できていなかった。しかし、こんなとんでもないトラブルでもある報道機関の記者は記事にして、あたかも国会議員が悪いかのような印象を与えた。
 ちなみに、取り立ての電話をかけてきたのは占い師・細木数子さんの弟だった。

◆得体の知れない人から宅配便が……
 事務所に配達される郵便や宅配便は会報や報告書などが大半だが、中には請求書や振り込み書をつけて自分の著書を勝手に送りつけてくる人もいる。このような輩は少なくない。支払いをせず放っておくと請求が来ることもある。全く迷惑な話だ。下の写真はその一例。

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 《2,000冊の部数のうち1,000冊は熊本県内の主立った書店で販売して頂けるよう致しましたが、後の1,000冊はゆうちょ銀行の振込用紙にて回収することに致しました》と勝手な言い分が書かれている。摘発を逃れるためか、最後に《なお、不要な方はお手数ですが着払いにて返本して下さるようお願いいたします》ともある。

 しばらく様子を見るために保管しておいたが、先日FAXが送られてきた。《在庫も不足しておりますので不要の方は着払いのゆうメールで返本してください》、《「出来れば増刷の目安がつきますので購入していただければ有り難いです》と書かれていた。“勝手に送りつけておいて何を言う。自分で取りに来い」と言いたいが、面倒くさいので送り返すことにした。

◆大量の印刷物が……
000000000000DSCN0129.jpg あまり知られていない案件だが、衆参国会議員の郵便受け(地下1階)には毎日のように「議事録・広報・官報」などが大量の配布物が配られている。20年以上この世界にいるが、この大量の「配布物」を読んでいる議員や秘書を見たことがない。印刷物の量もさることながら、運搬し配布する職員も多い。この文書箱に入りきらないくらい書類がたまると文書室から「いっぱいになりましたので取りに来て下さい。次の資料が入りません。」と電話がかかってくる。

 他の事務所も含め、みんな大量の印刷物を台車に乗せて、そのまま80メートルほど離れたゴミ置き場に持って行って捨てている。結構疲れる作業だ。まさにムダなのだが、どうしてもやめられないという。担当者に「うちの事務所には配布しないでくれ」というと、規則により「印刷物を配布しなければならない」と決められているので変えられませんとのこと。「それではせめてデータとしてCDやDVDの配布にしてくれ」といっても、「規則により変えられません」との回答だった。

 議院運営委員会での決議がないと変えられないというが、読まれもしない印刷物をやめることに誰が反対するのか?たしかにパソコンやタブレットを使えない国会議員が数多く在籍していることもわかる。だからといってムダを放置していいとは思えない。もしかしたら、配布している役所OBの雇用を守るためにやっているのか?と疑いたくもなる。

 霞ヶ関も「印刷物」で渡すのが主流で、データを渡してパソコンやタブレットで説明することはほとんどない。口では「情報化」と言いながら、紙ベースのものしか信じない文化があるのだ。一番、情報化の遅れている世界が国会と霞ヶ関。そこでは、公文書がなくなったり、突然出てきたりする。

◆保険金の支払いを巡って……
 あるとき、「会社の従業員が亡くなって、会社がかけている生命保険を請求したら生命保険会社から拒否された」「なんとか保険会社と協議してほしい」と相談に来た会社社長がいた。社長は社員に生命保険をかけていたので、格好をつけてその保険金300万円が支払われる前に「香典」として葬儀に持って行ったらしい。しかし、亡くなった社員の奥さんが「過労死だ」と会社に不信感を持って行政解剖を求めたことから、保険会社が支払いを止めていたという内容だ。

 ややこしい案件だったが、仕方がないのでさる筋から保険会社の担当者を紹介してもらい何度か協議を繰り返した。最後は亡くなった社員の奥さんに保険金の申請書を書いてもらい、それに基づいて保険会社が会社側に保険金を支払うことで解決した。本来は法律事務所などに相談に行くべき案件なのだが、この社長は「法律事務所に行くと金がかかるから、手っ取り早く政治家の事務所に相談してしまえ」とでも考えたのだろう。ふざけた話だっ



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