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福岡市幹部 市議から「清酒」受け取り
― 飲酒不祥事相次ぐ中 ― 

2014年9月10日 08:55

保健福祉局 高島宗一郎福岡市長の公費出張に疑惑が噴き出すなか、福岡市の幹部職員が、市役所内で市議会議員から清酒をもらっていたことが判明した。清酒を受け取ったのは市議の所属する委員会が担当する部局のトップ。不適切な物品の授受と見られてもおかしくない格好だ。
 飲酒絡みの不祥事が続出し、厳しい批判を浴びてきた高島市政。市議と職員の間、しかも市役所内で清酒のやり取りが行われたことは、法的にも倫理的にも問題。市の反省度合いに疑問符が付く状況となった。

市役所内、業務時間に酒のやり取り
清酒が保管されていた局内水屋にある冷蔵庫 清酒を受け取っていたのは、市保健福祉局の局長。今年5月15日、福岡市議が同局総務課を訪れ、“局長に渡してもらいたい”と言い置き、清酒1本を同課係長に預けていた。清酒は局内の水屋にある冷蔵庫(右の写真)に保管され後日登庁した局長に渡されたが、再び冷蔵庫保管となったあと、市内の居酒屋で開かれた総務課内の「暑気払い」(同課説明)に供され、参加した職員全員が飲んだという。

 同課はHUNTERの取材に対し、事実関係をすべて認めた上で、清酒が局長の健康状態を知っていた市議からの「快気祝い」だったと説明。この問題に関する内部告発があったが、通報を受けた市コンプライアンス・安全衛生課が、「儀礼の範囲であり、問題ない」との判断を下していたと話している。問題の清酒については「高知県の銘酒(司牡丹)だった。入手が難しい酒だと聞いている」として、一定の金額の品だったとの認識を示している。

法的問題点
 市議が所属する市議会の常任委員会は、保健福祉局を担当する「第2委員会」。職務権限との関係で物品のやり取りに法律上の疑念が生じるのは言うまでもない。さらに、公選法が禁じる「寄附」の疑いもある。市コンプライアンス・安全衛生課は「問題ない」と判断したようだが、お手盛り審議で内部告発をもみ消したと言うべきだろう。

倫理観の欠如
 福岡市役所と飲酒の関係をめぐっては、平成18年8月に市内東区の人工島・海の中道大橋で、飲酒運転をしていた福岡市職員(当時)の車が市内在住の会社員男性の乗用車に追突。会社員の車に乗っていた幼児3人が犠牲になった。その後も、飲酒絡みの事件・事故が相次いでおり、高島市政の綱紀粛正策は成果を上げていない。そうした中、白昼堂々、市役所内で市議と市職員の間で酒がやり取りされたという事実――。倫理観の欠如を指摘されても仕方があるまい。



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