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驕る「AOKI」 取材質問を黙殺

2014年6月27日 08:05

AOKI 今年3月、紳士服販売大手「AOKI」の福岡県内の店舗で、セール企画商品が完売していないにもかかわらず、「完売した」と偽りを述べて別の高額商品を売りつけるという事案が発生。たまたま当事者となったのがHUNTERの記者だったことから、その手口や、AOKI側のその後の対応、問題点までを5回にわたって報じた。
 この後の読者からの情報提供、さらにはAOKIの従業員や元幹部等に対する取材から浮かび上がったのは、消費者にとっては看過できないAOKIの商法だった。
 詳細は次週から複数回に分けて報じていくが、これまでのAOKI側への質問取材と、それに対する回答状況を明らかにしておきたい。見えてくるのは、AOKIの「驕り」である。

AOKIとの経過
 AOKI本社に対する1度目の質問書送付は4月。以下の内容だった。

前略 平成26年3月29日に、御社「福岡 清水店」において起きた事案については、ご承知のことと存じます。 本件は、《フレッシャーズ限定 スーツも揃う》と謳った「19,000円」の5点セットが完売していないにもかかわらず、“完売した”と欺き、セットとは別のスーツを購入させ、「43,640円」を請求したものです。 そこで、次の点についてご質問させていただきます。
  • 本件についての御社の調査結果はいかなるものか?
  • 本件同様の詐欺行為は、他店でも行われていたか?
  • その結論のその根拠は?
  • 今回の御社の対応は「遅かった」と思われるが、なぜ専務が来福するまでに5日の時日を費やしたのか?
  • これまで、セール商品とは別の高額な商品を押し付けるといったケースはなかったか?
  • また、同様の商行為にクレームが来たことはなかったか?
  • 信頼回復に向けていかなる措置を講じていくか?

 これに対するAOKIの対応が、次の「ご回答書」だった(クリックで拡大)。

AOKIからの回答書1 AOKIからの回答書

 これは謝罪でも回答でもない。お詫びするとしながら、こちらの質問にはホームページ上で公表した内容を確認しろと言う。HUNTERに伝えたかったのは、前半部分ではなく、後段――≪貴社の記事内容による、弊社が会社ぐるみで詐欺行為を行っているかのような主張は看過致しかねます。今後もこのような記事が継続する場合は、弊社顧問弁護士と相談のうえ、法的手段も含めた然るべき措置を講じることも検討している旨申し添えます≫のところだろう。これがお詫びする側の姿勢と言えるのか?答えは「否」である。まともな企業なら、きちんと回答するものだ。それを怠ったばかりか、≪法的手段を含めた然るべき措置を講じる≫ときた。開いた口が塞がらない。

 ちなみに、ホームページ上に公表されたAOKIの言い分は下の一文。これも再掲しておきたい。

福岡清水店の事案について

 ≪商品在庫の確認ミス≫で、詐欺的行為はなかったとする内容の公表文には不同意。この後、HUNTERの取材は、九州から関西、さらにはAOKI本社がある神奈川、そして東京にまで及んだ。AOKIで服を購入した読者や現役の従業員、元同社幹部に直接会って話を聞くためだ。取材の結果、消費者保護の観点から、AOKIに対し2度目の質問書を送らざるを得なくなった。それほどひどい実態が確認されたからだ。質問書は5月中旬、株式会社AOKIに郵送したが、回答はおろか連絡もなし。やむなく今月13日、内容を若干変えて、ネット上での公開質問に切り替えていた。

株式会社AOKI 代表取締役社長 清水彰 殿

 平成26年3月29日に、御社「福岡 清水店」において起きた事案については、ご承知のことと存じます。本件は、《フレッシャーズ限定 スーツも揃う》と謳った「19,000円」の5点セットが完売していないにもかかわらず、“完売した”と欺き、セットとは別のスーツを購入させ、「43,640円」を請求したものです。

 その後、本件に関する取材を続けて参りましたが、複数の御社元従業員や現従業員から、様々な証言等を得るに至りました。そこでお尋ねいたします。

  • 御社が、本件についてホームページ上で公表した内容は、正しかったとお考えですか?
  • この10年間で、セール企画品があるのに、客には「完売した」と申し向けて、高額な商品を販売した事例はありませんか。
  • また、そうした販売手法が、常態化していた店舗はありませんか?
  • 客側からすると、詐欺的と思われるような販売手法を、奨励していた幹部社員に心当たりはありませんか?

ニュースサイトHUNTER

 AOKI側は再びダンマリ。相手がネットメディアと侮ったのか、反応すらしない。大手企業の「驕り」である。AOKIの商法については現在も取材を続けているが、正直、「看過いたしかねる」と言いたいのはのはこちらの方だ。次週から、これまでの取材結果を報じていくが、本稿でAOKIに送った質問書を改めて公開しておきたい。

株式会社AOKI 代表取締役社長 清水彰様
質問書

前略 平成26年3月29日に、御社「福岡 清水店」において起きた事案については、ご承知のことと存じます。本件は、《フレッシャーズ限定 スーツも揃う》と謳った「19,000円」の5点セットが完売していないにもかかわらず、“完売した”と欺き、セットとは別のスーツを購入させ、「43,640円」を請求したものです。

 その後、本件に関する取材を続けて参りましたが、複数の御社元従業員や現従業員から、セールの目玉商品を早い時間帯に店頭から除き、「セール品は完売した」として、事後の商いを行っていたとの証言や挙証文書を得るに至りました。御社が、本件についてホームページ上で公表した内容とはかけ離れた実態であると考えます。

 つきましては、弊社の取材結果について、御社の見解をお伺いいたします。ご回答は、平成26年5月30日までに、文書で下記の住所まで郵送いただければ幸いです。

以上
                            
平成26年5月26日

ニュースサイトHUNTER

求められる真摯な対応
 AOKIの本体「AOKIホールディングス」は一部上場企業。真摯に取材と向き合う義務があるはずだ。ちなみに、下は今月、AOKIが福岡市内で新聞折り込みを行ったチラシの一部(クリックして拡大)。「各日5着」は相変わらずだが、ピンク色で囲った部分に『昼12時まで』と小さく記されている。以前には見かけることがなかったものだ。なぜこうした但し書きが必要になったのか――?それも次週からの記事で明らかになる。そういえば、きょう27日はAOKIホールディングスの株主総会。商いの実態は、正直に報告すべきだと思うが……。

aokiのチラシ.png



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