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やっぱりズレてる 政治資金収支に見る安倍首相の金銭感覚

2017年12月18日 09:20

0000-報告書.png 総選挙での大勝を受けて、横暴の限りを尽くすようになった政府・自民党。国会審議で野党の質問時間を削り、森友・加計疑惑の隠蔽を図ったと思ったら、次々と国民負担を増やす方向で走りはじめた。環境税、出国税、たばこ増税にサラリーマン増税――。国民は、消費増税とのダブルパンチで苦しむことになりそうだ。
 生活者の暮らしより軍備拡張が先。国民の安全・安心を守ると叫んできた安倍首相だが、政治資金収支を確認してみると、この人が“庶民感覚”とかけ離れた価値観の持ち主であることが分かる。

■資金パーティー、経費は売上のわずか1割
 安倍首相の関連政治団体は、資金管理団体「晋和会」、「安倍晋三後援会」、「山口晋友会」、「東京政経研究会」、「自由民主党山口県第4選挙区支部」の5団体。総務省及び山口県選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書によれば、5団体が昨年1年間で集めた政治資金は約1億6,500万円。晋和会と自民党支部に集中しており、政治資金パーティーの売上が主で約8,100万円、政党助成金が1,200万円、残りが個人と企業・団体からの献金だった。

 特筆すべきは、資金管理団体「晋和会」による政治資金パーティーの開催状況。「朝食会」という名目で年3回開かれ、毎回2,000万円以上の売り上げを記録していた。平成26年から28年までに開かれた政治資金パーティーの収支実態について、下の表にまとめた。

0000晋和会.png

 平成26年10月のパーティー(売上1,874万円)を除き、毎回2,000万円以上の売上。これに対し、パーティー券購入者は毎回300~400という数字になっていた。個人もしくは法人、団体と見られるパーティー券購入者は、平均50,000円から70,000円の政治資金を首相側に提供していることになる。当然、朝食会の参加者数は限られ、会場費も同規模の収入がある政治資金パーティーより安価で済む。

 パーティーの開催経費を確認してみると、主にホテルの会場費で、あとは印刷代程度。毎回、200万円以下の支出で終わっていた。必要経費は売上の約1割。これほど効率のいい商売はあるまい。しかも無税。サラリーマンや中小零細業者にとっては、考えられない世界である。

■突出する慶弔費
 感覚がズレているのは、晋和会の他の支出からも分かる。下は、平成27年に同会が総務省に提出した収支報告書の一部。その下の表は、過去3年間に同会が支出した「慶弔費」を抜き出してまとめたものだ。慶弔費の件数と額は、他の政治家とは比べ物にならない多さである。

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 慶弔費の支払先は、大半が都内の高級花店。1件数万円台のケースもあるが、20~50万円台はざら。60万円を超える支払いも複数回あった。“高給取り”の月収分が、安倍首相にとっては、花屋への1回の支払いに過ぎない。

 総理ともなれば付き合いが大変なのは確かだろうが、年間約400~600万円の慶弔費は、けた外れである。これでは、消費税が2%上がった場合の庶民の痛みなど、解るはずがない。

 安倍首相の国会答弁や会見での発言を聞いていて、「この人の感覚はズレている」と感じる国民は少なくないはずだ。憲法や国防、経済に対する考え方もそうだが、首相には“一般的な社会常識”が通用しない。カネ集めの手法にしても多額の慶弔費にしても、庶民の暮らしとかけ離れているのが実態だろう。政界エリートの家系に生まれ、何不自由なく育ったボンボンが、憲法改正だの自衛隊の強化だのと叫ぶ現状――。これを「おかしい」と感じる人が減ったら、この国は終わりである。



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