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手かざし「アースハート」傘下社福に特別指導監査

2014年12月18日 08:40

特別指導監査 ハンドパワーで病気を治せるとして会員を集め、脱税で摘発された「アースハート」(本社:福岡県篠栗町 佐々木義秀社長)の傘下にあった社会福祉法人が、不適切な運営を行っていたとして福岡市の特別指導監査を受けていたことが明らかとなった。特別指導監査の結果、同法人の理事会はアースハートの関係者を除外する形で一新されている。
 アースハートを巡っては、刑事事件の控訴審が続いているほか、会費をだまし取られたとして元会員らが損害賠償訴訟を起こしており、特別指導監査の経緯に注目が集まりそうだ。

アースハートから5億円の資金
 特別指導監査を受けたのは、社会福祉法人「太陽の丘」。訪問介護等を目的として、平成18年に基本財産約1億1,000万円で設立された同法人は、20年にアースハートの傘下入り。この際、アースハートと一体とみられていた別のNPO法人の資金約5億円が太陽の丘に移され、6億円超の運営資金を有する法人となっていた。積み増しされた資金の大半は、アースハートが会員から得たものだったとされ、同社を脱税で摘発した国税当局もカネの流れを把握している。

 通常行われている「一般指導監査」に対し、特別指導監査は、社会福祉法人及び施設の運営に問題を有する場合か不祥事等が発生した場合に実施されるもの。福岡市は、今年6月の一般指導監査で不適切な運営が確認されたとして、7月22日に太陽の丘への特別指導監査を実施していた。ここ数年、社福に対する特別指導監査が実施された例はなく、福岡市では異例の事態だった。

 下は、情報公開請求で入手した特別指導監査の実施理由を記した文書。指導監査の理由として、議事録等の未提出、定款に背く理事選任、4億5,000万円の資金流用などが挙げられている。

社会福祉法人太陽の丘特別指導監査の実施について

仮理事が新たな理事選任
 市は、特別指導監査で議事録の偽造など悪質な定款違反や、事業資産の目的外使用など9項目を指摘。さらに、今年3月で理事の任期が終了し、理事会自体の存在が認められなかったため、「仮理事」を選任していた。その後、仮理事によって福祉関係者からなる「本理事」が選任され、太陽の丘はアースハート関係者を除外した形で新たな法人として再スタートしている。

 市が特別指導監査で確認した事項の中で、特に悪質とみられたのは2点。まず前述の議事録偽造が挙げられるが、巨額の法人資産を勝手に動かしており、これは背任が疑われてもおかしくない行為。市の監査結果や取材の結果を総合すると、現在アースハートの幹部となっている男性が、理事の資格も有しないまま、平成25年12月にアースハートに2億円、同社の関連医療法人財団に2億5,000万円の支出を行うよう主導していた。いずれも貸付金として処理されていたが、市側の指摘を受けて今年7月に返金されている。

民事裁判の行方にも影響
 アースハートを巡っては、脱税に関する刑事事件の控訴審が続いているほか、民事で元会員らがアースハートやその関連法人などに損害賠償を求める訴訟を提起しており、「太陽の丘」も被告。特別指導監査までの過程で、いったんアースハート側に渡った4億5,000万円が同法人に戻されており、民事裁判の行方に影響を及ぼすのは必至。新たに組織された理事会が、どのように対応するのか注目される。

 特別指導監査の経緯や、取材で確認された不適切な法人運営の実態については、次の配信記事で詳細を報じる予定だ。



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