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八女市公共工事 談合の証明

2012年2月24日 09:10

 今年1月、福岡県八女市(三田村統之市長)で同市発注の公共工事をめぐって、落札率100%を含む95%以上の高い落札率が続出していることを報じた。
 
 その八女市管内における県発注工事の落札率を調べ比較したところ、高い落札率が市発注工事だけに見られる特有の現象となっている実態が浮かび上がった。

 八女市の建設業界が足並みを揃えて公共工事の受注を分け合う構図は、談合の証明と見られてもおかしくない。

(写真は八女市役所)


官製談合が疑われる八女市の現状
 平成23年4月から今年1月までに、八女市が実施した公共工事の入札は269件。同市が公表した入札結果を確認し、落札率の動向をまとめたものが次の数字だった。
100%・・・ 4件
 99%・・・21件
 98%・・・42件
 97%・・・36件
 96%・・・32件
 95%・・・38件
 
 95%以上の高率で工事を落札した件数は合計173件。実施された入札全体のじつに6割以上が落札率95%を超えていた。

 通常、95%以上の落札率は、談合が行われた可能性が高いとされており、八女市のような入札状況は異例というより異常。
 同市ではここ数年同じような傾向が続いており、官製談合を指摘する声も上がっている。

県発注工事 落札率95%以上はゼロ件
 この状況がすべて公共事業で共通するものなのか、同時期に福岡県が実施した公共工事について、県へ情報公開請求して入手した入札結果表などから八女市管内での入札状況をまとめてみた。

 平成23年4月から今年1月までの入札件数は、確認されただけで99件。このうち95%以上の高い落札率は1件もなかった。最も高い落札率でも92%台(4件)に過ぎず、市発注工事における入札状況との違いが歴然となった。
 なぜ、同じ公共事業で落札状況がこうも違うのだろう。

 まず、考えられるのはそれぞれの行政機関における建設単価が著しく違う場合だが、この点については即座に否定されてしまう。

 HUNTERの取材に対し、八女市建設課は「県の歩掛り(ぶがかり)を基に入札予定価格をはじき出してしています」と回答しており、同市では他の自治体同様、国や県が毎年度ごとに制定した建設工事にかかる標準的な建設単価を参考に入札予定価格を算出していることが確認されている。

 つまり、県の公共工事も市の公共工事も同じ建設単価を使って積算しているということで、落札状況に違いを生じさせる要因は存在しないということだ。
 
 同じ建設単価で計算された公共工事の入札でありながら、一方だけに高い落札率が続出し、他方でそうした現象が起きないという事実は、話し合いで入札業者や落札率を決めている可能性が高いことを示している。

 県内の建設業関係者は、次のように語る警鐘を鳴らす。「八女の状況は深刻。はっきり言ってやり過ぎだ。企業努力には限度があり、98%、99%、100%などという落札率で受注できることは、そうそうあるものではない。たとえ予定価格に限りなく近い金額で応札しても、入札に参加したすべての業者が落札業者より上の金額で札を入れる(応札する)か辞退するかしないと、受注することはできないだろう。つまり、八女市の現状は談合しなければ成り立たないものということになる。いい加減にしないと、事件になりかねない」。
 
 しかし、県発注工事の入札状況を精査する過程で、さらに驚くべきことが判明する。次稿では、県発注工事の裏で、組織的に落札率が操作されていることを疑わせる事実を報じる。



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